1990年代後半といった時期に高級なパシャとして登場したパシャ38mm。
ラインナップは、3針とGMTとクロノグラフといったところですが、3針には「通常の3針」と「グリッド」が存在しました。
グリッドは、パシャのアイコン的存在でもあるのですが、文字盤を保護する目的で装着されている金具。
90年代のパシャCには、文字盤の模様としても採用されるなど、最も“パシャらしさ”を感じられる要素だといえます。
しかし、グリッドモデルは、2005年に登場したパシャ42mmからは廃止された模様。少数がラインナップされた可能性もありますが、筆者は中古市場で42mmのグリッドモデルを見かけたことがありません。
また、2020年に男性用パシャが復活しましたが、その世代におけるラインナップでもグリッドモデルはあまり見かけませんでした。
ですから、男性向けモデルのグリッド付きパシャを選択しようと思ったら、必然的にパシャ38mmとなるでしょう。
そして、そのパシャ38mmのグリッドモデルには、“古い方”と“新しい方”が存在。
前者は、通常のグリッドといった形状となっている一方で、後者のグリッドは、立体的な形状になっている差があります。
長らく、中古相場では新しいほうであるW31059H3の相場が高い傾向があります。
さて、近頃といえばパシャ38mmではクロノグラフが値下がり傾向となっている様子がありますが、この新グリッドのW31059H3の相場はどうなっているでしょう。
現在、W31059H3は約44万円となっているのですが、これは2021年9月水準に対して値上がり状態。
変動額は4万円という規模でありますが、40万円台中盤になったという点が重要だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年9月 の安値 |
2025年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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カルティエ
パシャ38mm W31059H3 |
中古 | 3年 11ヶ月 |
¥396,000 | ¥440,880 | 44,880 | 111.33% |
なお、パシャ38mmのSSブレスレットモデルにおいて最も高値なのがクロノグラフでありますが、現在相場は44万8800円(ABランク以上のボトム価格)。
それに対してW31059H3は、44万880円ですから、クロノグラフとの差が8000円程度になっている状態であります。
以前から新グリッドは高値という傾向があるものの、2022年にクロノグラフが上昇してから約3年に渡って「クロノグラフよりも安価」という状態でした。
それが今、クロノグラフと新グリッドはほぼ同等となっているわけですから、パシャ38mmの相場序列が再び変化している様子があるといえます。