フレデリックピゲ搭載のスピードマスターといえば、ブロードアローシリーズを思い浮かべますが、この311.30.44.50.01.001はムーンウォッチ的な見た目でフレデリックピゲが搭載されているモデルであります。
それだけで「高級志向のムーンウォッチ」といった印象になるわけですが、実はこのモデルにはもう1つの高級要素が存在。
それが、文字盤なのですが、一見のムーンウォッチと変わらないようにみえて、実はエナメル文字盤となっているのです。
エナメル文字盤のスピードマスターといえば、50周年記念モデルの311.33.42.50.01.001がありますが、そちらには手巻きのフレデリックピゲが搭載。また、1957本限定であります。
それに対して、この311.30.44.50.01.001には、自動巻ムーブメントが搭載。ムーンウォッチ的な見た目ではありますが、ムーンウォッチの系譜ではありません。
前回、この311.30.44.50.01.001をお伝えしたのは2020年7月ですが、その際はちょうど50万円といったところ。同時期において、1957本限定のエナメル文字盤は約69万円だったため、こちらのほうが20万円程度安価だったといえます。
ただ、近頃では1957本限定モデルは130万円台といった水準に達しているわけで、かつての倍といえるぐらいの状態になっている様子があります。
では、同じエナメル文字盤のこちらはどうかというと、現在水準は約76万円。
1957本限定よりは高くなっていないものの、約5年前に対して1.5倍ほどの上昇となっている状態です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年7月 の安値 |
2025年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オメガ
スピードマスター 311.30.44.50.01.001 |
中古 | 5年 1ヶ月 |
¥500,000 | ¥768,000 | 268,000 | 153.60% |
311.30.44.50.01.001には、「フレデリックピゲ搭載」、「エナメル文字盤」という高級要素が備わっているわけですが、一見普通のムーンウォッチに見えて、実はそういった要素があるという点がたまらないといえます。
ちなみに、約76万円という水準を基準とすると、この311.30.44.50.01.001は現行ムーンウォッチと同水準。現行の裏スケ版と比べると安価という状態であります。
なお、311.30.44.50.01.001は裏スケ仕様(裏蓋にエナメル文字盤と記載もあり)ですが、同じくフレデリックピゲを搭載する3551.20などは裏スケとなっていません。
ですから、311.30.44.50.01.001には様々な人気要素が備わっているわけで、特に「エナメル文字盤」という希少性を考えると、ムーンウォッチの現行裏スケモデルよりも安価という今の状態は、お得感ありといえるかと思います。