2023年頃から2000年台前半頃のモデルが伸びるようになったパネライ。
44mm手巻きのシンプルなモデルは、長らく30万円台後半や40万円台前半といった水準が続いていましたが、今では50万円台という相場になっているモデルが多いといえます。
また、今年9月においては、112番の前期文字盤が60万円台になるという事態が発生。
ルミノバ世代の44mm手巻きモデルは、これまで50万円台でも“かなり高い”といった印象でしたから、60万円台という価格帯は驚きでした。
ちなみに、パネライは古いモデルのほうが評価が高い、という傾向があるため、112番の前期文字盤が高くなるというのは、これも「クラシック」として評価されるようになったのか、といった印象です。
これまでは、プレヴァンドームや、2番といったリシュモン初期世代の“トリチウム文字盤”が評価される傾向はありましたがあ、112番の前期も、“高い評価”といった要素になったといえます。(トリチウムほど高くないものの)
なお、112番の前期と後期の違いは、文字盤の構造。後期は、パネライ特有のサンドイッチ文字盤となったのですが、本来“古いパネライの特徴”を再現したそれが、逆に「新しい要素」といった印象になってしまい、市場では「非・流し込み文字盤」のほうが高く評価されているのです。
さて、パネライといえば、そういった“古い”という要素以外にも、もういくつか“高い評価”となる要素があるのですが、その1つが「レフティ」であります。
レフティは、竜頭が左側についているモデルなのですが、流通数が少ないためか、パネライが日本で大ヒットとなった2000年代前半から相場が高めとなっています。
しかし今、そんなレフティでありながらも、あまり評価されていないモデルが存在。
それが、PAM00219であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年11月 の安値 |
2025年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00219 |
中古 | 8年 1ヶ月 |
¥507,900 | ¥459,800 | -48,100 | 90.53% |
PAM00219の現在水準は約45万円となっているのですが、なんとこれは2017年11月水準よりも安価な状態です。
112番なども、2017年から2022年頃にかけて、「2017年水準よりも安価、もしくは同等」といった状態が続いていましたが、それらは現在、過去最高値更新といったことが珍しくありません。
その一方で、この219番は、現時点でも2017年11月水準よりも安価といった状態。
219番は「レフティ」という人気要素でありながら、約45万円。近頃の手巻き44mm水準としては最も安価な価格帯、ともいえるためお得感がある状態だといえます。
ちなみに、現在この219番が、あまり評価されていないのは、2005年デビューの「サンドイッチ文字盤」だからでしょう。
先のように、パネライは「古いほうが評価が高い」となる傾向があるわけですが、2005年という年は1つの転換期。この年をもって、112番などはマイナーチェンジされ「サンドイッチ文字盤化」されたのですが、それが今では前期(非サンドイッチ)のほうが人気といった状態。
そういったこともあって、219番はレフティながら他の手巻き44mmよりも安価に購入可能となっているのでしょう。
ただ、同じ世代の0番と同水準であったり、5番よりも若干安価ということから、「レフティ」ということを考えると、この219番は“よりお得”という印象になります。