この5055の白文字盤、2003年頃の新品実勢価格は180万程度。
今とは違い、その頃パテックフィリップはまさしく「雲上時計」という印象で、180万円という価格はかなり高いように感じました。
しかし、2005年頃からパテックフィリップは「雲上時計」という印象を崩すこと無く、メジャーな高級腕時計として多くの人が“買う”存在へと変化。
それは全世界共通な模様で、インスタグラムを見ているとタイのお金持ちがノーチラスやアクアノートを好む様子が伺えます。
2005年前後にパテックフィリップは多くの時計をモデルチェンジ。
それまでのパテックフィリップは、地味に見えるほどのシンプルさや上品さを特徴としていましたが、2005年以降のパテックフィリップには派手めなモデルが多い印象です。
それゆえサイズも大きくなったのですが、“大きすぎる”という印象を持つ方も少なくないでしょう。
そんな2005年以降のパテックフィリップに対して、この5055は36mmというちょうどよいサイズ。
そして、今のパテックフィリップにはない、良い意味での地味さを感じさせると同時に、モダンなデザインという珍しさも備えています。
ですから、非常に魅力的なモデルだと思うのですが、なんと2012年と比べて100万円以上の値上がり。
ちょっと前でも同じく白文字盤のWGモデルは260万円台で売れてしまっていたため、この263万2000円という額はこのモデルの相場として適正でしょう。
5055は特に人気があるモデルという印象ではないため、ここまでの値上がりとなるとは考えられなかったのですが、最近は年次カレンダー(5035)よりも遥かに高い相場です。
永久カレンダーという強い特徴と人気度から考慮すると、5035のほうが高くなると思うのは自然な思考です。
しかし、思わぬ値動きをするというのが、腕時計の面白さ。
そして、5055がこのように評価されているというのは、とても嬉しく感じます。
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