2000年にカルティエから登場したカジュアルモデル、ヴァンテアンクロノスカフ。
同時にデビューしたオートスカフは3針の自動巻であるのに対して、このクロノスカフはクオーツムーブメントのクロノグラフです。
3針は自動巻、クロノグラフはクオーツというラインナップは、カルティエやピアジェなどがよく用いる手法で、デビューしてから時間がたった後、どちらかが一方が高くなるという傾向があります。
例えば、ピアジェのアップストリームは自動巻3針のほうが高い傾向ですが、ヴァンテアンの場合、クロノグラフのほうが高い傾向です。
ピアジェの場合、自動巻を選択すると、上級機種と同じ504Pという自社製ムーブメントが搭載されるため、高値となるのでしょう。
一方このヴァンテアンの場合、クロノグラフが高い傾向というのは新品時の実勢価格に影響を受けているのかもしれません。
ピアジェの場合、クオーツクログラフムーブメントも自社製なため、自動巻とクオーツ、どちらの新品実勢価格も似たようなものでしたが、ヴァンテアンの場合クロノグラフが高かったのです。
このヴァンテアンの“スカフ”シリーズは、98年に登場したブルガリアルミニウムに対抗して“最もカジュアルなカルティエ”としてデビューしたモデル。
価格はカルティエの中で下位レンジに位置しているものの、休日用のセカンド腕時計というイメージにより、プレミアム感を感じるカジュアルというのはアルミニウムと同様でした。
そして、当時のカルティエの中古によくみられたように、ブルガリと比較して高めという傾向だったのです。
それはリーマンショック後の2008年11月でも同様で、18万9000円という価格がこの時計にとって当たり前だったのです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2008年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年3月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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カルティエ
ヴァンテアン クロノスカフ W10125U2 |
中古 | 8年 4ヶ月 |
¥189,000 | ¥89,800 | -99,200 | 47.51% |
同じ頃、ロレックスのエクスプローラの14270は約22万円ぐらいという相場だったため、クロノスカフとの価格差はたったの3万円でしかありませんでした。
クロノスカフがデビューした2000年はエクスプローラが大人気のプレミア価格状態。
その際、両者の新品実勢価格における価格差は20万円程度だったため、2008年の約3万円というのはいかに差がなくなったかということが分かります。
しかし、その後エクスプローラが再度40万円近くまで上昇したのに対し、クロノスカフは10万円近い値下がり状態。
その結果、今では両者の価格差は30万円程度という大きな差となっています。
このクロノスカフ、ラバーベルトの程度が悪い個体も多いのですが、この記事の個体はベルト含めて全体的に程度が良さそうなモノにもかかわらず10万円を切っています。
このクロノスカフは最近とてもかなりの値下がり傾向で、本当にカジュアル感のある価格となっています。