腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」

パシャ42mmはジャガールクルトムーブメント、カルティエW31072M7

現在、パシャは基本的に生産終了。

カルティエカリブルドゥカルティエを中心に自社ムーブメント化を推進していますが、このパシャ42mmのようにリシュモングループの他ブランドから良いムーブメントを調達するというほうが、魅力ある時計になると感じます。

時計ファンとしてカルティエに期待するのは、ムーブメントそのものよりも、独特の世界観だと思うのです。

パシャのように、他では見ることのない独特なデザインであったり、そのモデルが誕生したストーリーなどに大きな価値があるわけで、その魅力ある時計の中身にジャガールクルトなどが搭載されていることでその価値がより増幅します。

最近、金無垢ラジオミールルミノールクロノなど高級モデル時代のパネライが評価されていますが、それらはパネライの自社製ムーブメント搭載モデルよりずっと評価されているのです。

パネライにもカルティエにも望むのは、マニュファクチュール化ではなく、リシュモングループの魅力あるムーブメントを搭載したモデルを作ることだと強く思います。

例えば、ランゲ&ゾーネのムーブメントを搭載したプラチナラジオミールが限定で出たとなれば争奪戦となるでしょう。

そしてこのパシャ42mmは、ジャガールクルトムーブメントを搭載するという良い方向性なのに、2008年と比べて値下がり状態かつ30万円台後半で買えるという存在。

この人気のなさは先のように、コストダウンモデルと誤解される傾向があるからでしょう。

高級ムーブメント搭載のパネライが値上がりしている中、このパシャはなかなか魅力ある1本だといえるでしょう。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

1 2
- PR -