現在、パシャは基本的に生産終了。
カルティエはカリブルドゥカルティエを中心に自社ムーブメント化を推進していますが、このパシャ42mmのようにリシュモングループの他ブランドから良いムーブメントを調達するというほうが、魅力ある時計になると感じます。
時計ファンとしてカルティエに期待するのは、ムーブメントそのものよりも、独特の世界観だと思うのです。
パシャのように、他では見ることのない独特なデザインであったり、そのモデルが誕生したストーリーなどに大きな価値があるわけで、その魅力ある時計の中身にジャガールクルトなどが搭載されていることでその価値がより増幅します。
最近、金無垢ラジオミールやルミノールクロノなど高級モデル時代のパネライが評価されていますが、それらはパネライの自社製ムーブメント搭載モデルよりずっと評価されているのです。
パネライにもカルティエにも望むのは、マニュファクチュール化ではなく、リシュモングループの魅力あるムーブメントを搭載したモデルを作ることだと強く思います。
例えば、ランゲ&ゾーネのムーブメントを搭載したプラチナラジオミールが限定で出たとなれば争奪戦となるでしょう。
そしてこのパシャ42mmは、ジャガールクルトムーブメントを搭載するという良い方向性なのに、2008年と比べて値下がり状態かつ30万円台後半で買えるという存在。
この人気のなさは先のように、コストダウンモデルと誤解される傾向があるからでしょう。
高級ムーブメント搭載のパネライが値上がりしている中、このパシャはなかなか魅力ある1本だといえるでしょう。
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