2017年春頃まで300万円前後という水準だった5711/1A青文字盤ですが、2017年以降は日を追うごとに相場が上昇し、ピーク時には800万円台となっていました。
特に目立って上昇したのは2019年で、3月時点で約648万円だったのが、7月には約858万円という水準に達していたのです。
ただその後は、2019年夏の下落トレンドによって、例外なくこの5711/1A青文字盤も値下がり。9月には800万円を割った状態となったのです。
そして2020年4月には、新型コロナの影響によって相場は二度目の下落トレンドへ突入。その結果、この5711/1A青文字盤は700万円を切る状況となりました。
2019年に600万円台から800万円台にまで上昇したのが、その後は700万円台⇒600万円台となったわけです。
ちなみに、5711/1A青文字盤には、2006年登場の5711/1A-001と、2010年登場の5711/1A-010がありますが、時期によっていずれか一方が高いことも安いこともあるため、ここではまとめて「青文字盤」して値動きを追っています。
さて、そんな5711/1A青文字盤ですが、現在の水準はどのような様子となっているかというと、5711/1A-010が約665万円というボトム価格となっています。
これは2020年4月水準よりも33万円安いため、5711/1A青文字盤は再び下落したといえる様子だと思われます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年4月 の安値 |
2020年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5711/1A-010 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥6,985,000 | ¥6,655,000 | -330,000 | 95.28% |
現在の約665万円という水準ですが、これは2019年3月の約648万円に近いといえます。
そうなると、5711/1A青文字盤は、2019年に600万円台⇒800万円台という目立った上昇を経た後、結果的に元の600万円台中盤という価格帯に戻ってしまったということになるわけです。
しかし、そんな5711/1Aには気になる動きがあります。
それは、白文字盤の相場です。
現在、白文字盤はなんと青文字盤よりも高い状況。2019年2月にも白文字盤が上昇したことがありましたが、その後は「白文字盤に対する逆襲」かのように青文字盤が値動きしたのです。
今回も2019年春頃と同じ現象となるかは分かりませんが、青文字盤の現在相場は他のノーチラスの様子を見る限り、興味深い価格帯だと感じます。
また近頃、パテックフィリップに限らず「青文字盤」が人気という様子がありますが、そういったトレンドの発生源こそ、この5711/1Aだといえます。
そういった意味では、5711/1A青文字盤という存在はかなり強いわけで、他のモデルが回復したりする中、依然このような下落となっている姿は“らしくない”とも思います。