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現在相場考察

400万円台という水準に到達、GMTマスター2緑文字盤116718LN

2020年9月5日更新
ロレックスのGMTマスター2116718LNについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年1月の安値と2020年9月の安値を比較し現在相場を考察。この8ヶ月での変動は39万3000円の値上がりだった。

GMTマスター2 緑文字盤 116718LNについての考察(2020年9月)

この1年において「下落トレンド」という印象が強かったわけですが、2020年夏頃からは久々に「値上がり」を感じる様子となっています。

これまで最も高い様子となっていたのは2019年上半期でしたが、2020年7月の月末ぐらいからそれを超える水準となるモデルが登場。この1ヶ月でいくつかのモデルが2019年上半期を超えた様子をお伝えしています。

そして、今回お伝えするのもまた、2019年上半期水準を超えたモデルなのですが、「超えた」というよりも「大きく上回った」という表現となるような動きとなっています。

それがこの116718LN緑文字盤なのですが、この時計、現在のボトム価格がなんと約409万円という水準。

これまで記事でお伝えした最も高い水準が2020年1月の370万円でしたから、今回の値動きによって400万円台という水準に到達したのです。

「緑」という要素はロレックスのコーポレートカラーでありますが、中古市場でも人気かつ高値要素となるアイテムであります。

特にスポーツ系の「緑」は評価される傾向があり、このGMTマスター2の他にサブマリーナやデイトナなどが高い評価となっているのは有名でしょう。

とはいっても、なぜこの時期にこの116718LNが評価されたのかというと、2020年の新作が登場したことによって、「緑文字盤」という要素に対して、これまでよりも希少性を感じるようになったからだと思います。

今年の新作としてサブマリーナが全て新しくなりましたが、「青サブ」を除くと全て黒文字盤が採用されるようになりました。

これは、5桁世代と同じ配色に原点回帰したとも感じるのですが、そうなると2005年デビューの6桁世代の配色ルールがレアに感じます。

実は6桁世代が出てきた際、この緑文字盤を含め「それまでのロレックスではご法度だったのをあえて採用した」という印象があり、それほど好意的な印象が多かったわけでは無かったといえます。

しかしながら、いざ5桁世代のルールに原点回帰すると、2005年デビューの6桁世代に採用されていた「緑文字盤」や「マットな青文字盤」といったアイテムが珍しく感じ、それが欲しいと強く思う心理になるのはすごく理解できるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年1月
の安値
2020年9月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
GMTマスター2
緑文字盤
116718LN
中古 0年
8ヶ月
¥3,700,000 ¥4,093,000 393,000 110.62%

そのようなことはサブマリーナにもいえるのですが、現在116613LBの前期文字盤の売出しがない状況となっているのです。

5桁世代までの青サブといえば、「サンレイ文字盤が美しい」と評判でしたが、2009年に116613LBにモデルチェンジされた際、サンレイではなくミラー仕様の青文字盤となったのです。

筆者は、ミラー仕様の青文字盤をあえて「マットな青文字盤」と表現していますが、これはどうやら分かりやすいようで、余談ですが、様々な方が前期文字盤を「マット」と表現しているようです。

2010年前後の6桁世代の配色ルールは、これまで10年ぐらいの間「あたり前」でしたが、最近のモデルチェンジによって「レア」という印象にかわりつつある結果、中古市場で高く評価されるようになったのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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