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現在相場考察

ガルベのLMサイズと同水準、サントス100 W20073X8

2023年7月26日更新
カルティエのサントス100W20073X8について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年1月の安値と2023年7月の安値を比較し現在相場を考察。この2年6ヶ月での変動は4万6200円の値上がりだった。

サントス100 W20073X8についての考察(2023年7月)

2000年代前半に世界的なパネライブームが発生した際、「デカい」「分厚い」といったパネライならではの特徴が多くの腕時計に影響を与えたといえます。

「分厚い」までは影響されなかったものの、2000年代にデビューした腕時計におけるケースサイズの拡大は顕著で、ロレックスからパテックフィリップまで、様々なブランドの腕時計が“大きくなった”といえます。

また、「分厚い」といったパネライならではの“ボリューム感”も多数のモデルに採用されたといえ、かなりな腕時計がパネライ的文脈を引用したといえるわけです。

そんな2000年代ならではのモデルの1つが、カルティエサントス100であるわけですが、これは2004年に出たサントスの新モデルでした。

サントス100が出るまでは、サントスガルベサントスシリーズの中心的存在だったといえますが、ガルベは1980年代頃に“流行った”という経緯があるため、2000年頃の印象は“古臭い”という感覚だったといえます。

そんな中、“最も現代的なサントスといった雰囲気で登場したサントス100は、デビューするや否や、「サントス」というシリーズをカルティエの人気モデルに再び押し戻したといえたでしょう。

2000年代前半のカルティエは、パシャCタンクフランセーズなどが売れ筋だったといえ、サントスガルベの影は薄かったのです。ですから、真新しいサントスとして登場したサントス100は、2000年代において「サントス」を再びカルティエの売れ筋モデルにした功績があると思います。

そんなサントスシリーズでありますが、2010年代後半ぐらいになると、「サントスガルベ」の良さが中古市場では再認識。当初はXLサイズから相場が上昇したわけですが、今ではLMサイズも値上がりしています。

また、カルティエサントスのラインナップを再びガルベ的なものへ戻し、サントス100はすでにシリーズ終了状態。

そういったこともあって、この数年、サントス100の相場は元気がなく、サントスガルベ(XLサイズ)と逆転してしまいました。

また、サントス100サントスガルベのLMサイズとも同水準となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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カルティエ サントス 100LM W20073X8 正規店購入品 磨き済 メンズ 腕時計 Cartier

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年1月
の安値
2023年7月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
サントス100
W20073X8
中古 2年
6ヶ月
¥437,800 ¥484,000 46,200 110.55%

2017年においてこのW20073X8は、約46万円という水準でしたが、サントスガルベのLM(自動巻)は25万円程度。それが今やガルベが上昇したことにより、両者は同水準という様子であります。

サントス100W20073X8を最初にお伝えしたのは2016年3月でありますが、それから今にかけて記事でお伝えした相場は以下の通りであります。

  • 2016年3月の安値  ¥432,000
  • 2017年12月の安値 ¥464,400
  • 2021年1月の安値  ¥437,800
  • 2023年7月の安値  ¥484,000
  • 上記を見ると、40万円台前半と後半を行ったり来たりしている感覚になります。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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