現在、サブマーシブルは1つのシリーズとして独立しているといえますが、かつてはルミノール44mmのアレンジモデルの1つといった印象がありました。
パネライは2002年頃から日本で大ブームとなったわけですが、その頃「サブマーシブル」といわれて連想するのは24番といったラバーベルトタイプのモデルだったといえます。
しかし、実は2002年頃においてサブマーシブルにはブレスレットタイプが存在。
その頃のパネライといえば、ブレスレットは40mmが主というラインナップ構成だったわけですが、サブマーシブル(44mm)のブレスレットモデルであるPAM00106は2001年デビューであります。
そして興味深いことに、PAM00106は2001年といった時期に販売されたにも関わらず、文字盤の発光塗料がトリチウムの模様。
どの個体を見ても、文字盤6時位置に「T」の表記があるのです。
パネライは、1999年(B番)の途中まで発光塗料にトリチウムを採用していたのですが、2000年以降のモデルではルミノバに変更されています。
そして、トリチウムのパネライは、何かと人気でレア度が高いことから、同じ型番でも「トリチウムの相場は異なる(高い)」となっている傾向が何年も前からあるのです。
その一方で、この106番については2020年時点でそこまで高いとはいえない相場でした。
記事で106番を取り上げた際、何度も「106番には人気要素が満載なのに安価」という指摘をしていましたが、106番が特に高値となることはなかったのです。
ちなみに、これまで記事で取り上げた106番の相場は以下の通りであります。
この106番は青文字盤ですが、2020年時点で「青文字盤」という要素を持つパネライは高値となっていた経緯があります。
それが106番の場合は全く反応していなかったわけで、「評価されていないのが不思議」といえたわけです。
そんなPAM00106でありますが、2025年現在の相場を見るとなんと「やっと評価された」といえる様子。
現在水準は約79万円(ABランク以上のボトム価格)となっており、2020年2月水準に対して26万円もの値上がりが見られます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2025年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
サブマーシブル PAM00106 |
中古 | 5年 5ヶ月 |
¥528,400 | ¥792,000 | 263,600 | 149.89% |
106番には、「青文字盤」、「チタンSSコンビ」、「トリチウム」といった良い要素があるわけですが、それに加えて2001年度のみの生産、つまり1年しか製造されなかったというレア要素もあります。
そうであるにも関わらず、長年「反応せず」といった状態だったわけです。
そんなPAM00106が今や80万円近い状態にまで上昇したわけですから、長年「良い要素があるのになぜ伸びない?」と思っていた筆者としては、ようやく評価されたのかと驚いている次第であります。
ちなみに、106番は2024年夏頃まで2020年頃までの価格帯と大きく変わりないという状態があったため、いきなり上昇したといえます。