腕時計投資新聞

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2016年6月29日更新

銀行家のための、マスターバンカー5850

ロレックスGMTマスターも「パンナムのパイロットのため」というストーリがあったりしますが、この時計は「#銀行家」と来たかという感じですね。

「#銀行家」でマスターバンカーというネーミング。まさに、クリスタル族もびっくりなイケてる時計

しかし、このマスターバンカー2011年と比べるとだいぶ値下がりしています。

2011年といえば、今では70万円以上する青サブなんかも30万円台で買えた時代。

その頃と比べて30万円以上値上がりした青サブに対して、10万円値下がりしてしまったのがマスターバンカー

ちなみに、マスターバンカーには様々な仕様と種類があるので相場を混同しないように注意が必要です。

  • 革ベルトか、ブレスレットか
  • WGケースか、ステンレスか
  • 2852か5850か
  • でもって、5850サイズ、ステンレス、ブレスレットという組み合わせが10万円値下がりしているのです。

    現在の安値は約52万円ですから、5桁リファレンスのサブマリーナノンデイト(14060m)とほぼ同等。。

    14060mが出た頃、マスターバンカーヨットマスターロレジウムすらよりもより高級な高嶺の花

    つまり、サブマリーナノンデイトより何階層か高い時計だったのです。

    それが今ではほぼ同じに。

    フランクミュラーの時計って、マスターバンカー以外の時計でもそうですが、比較的モデルの現役期間が長いのが特徴。

    14060mが新登場して生産中止となる期間、マスターバンカーは現行モデルであり続けています。

    そして、今でも現行なマスターバンカー

    かつて22年間モデルチェンジせず「シーラカンス」と言われた三菱デボネアとは違い、その見た目は現在の時計と乖離があるわけでもありません。

    ただし、フランクミュラーの場合、メンテナンスに難ありとされるので注意が必要。

    並行輸入品はメンテナンスしてくれませんし、1つの竜頭で3つの時間をコントロールするという機構もなんだかデリケートそう。

    丁寧に扱わないと壊れたってことになりやすく、その壊れた時にメンテナンスができないのは精神的にいやですね。

    普通の時計修理店でもパーツが手に入ればメンテナンスできるのでしょうが、その真相は不明です。

    3針のカサブランカはETAムーブメントとされているため、メンテナンスできそうですが、マスターバンカーのような特殊機構が付いた時計は不安が残るのは間違いありません。

    せっかく、かつて高かった時計をお買い得に楽しめるチャンスだけに、なんだか勿体無いと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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