この90年代後半モデルでも、ノーチラスを象徴するエンボス加工の青文字盤は存在していましたが、黒文字盤と比較してかなり数が少ないという印象。
また、3800にはエンボス加工の白文字盤も存在しましたが、どの文字盤でも特に値段が違うという現象はありませんでした。
デイト表示が明朝体かゴシック体かによる価格差は若干ありましたが、それは年式による評価の違いです。
当時のスポーツロレックスにも見られたように、バックルがシングルかダブルか、文字盤の発光塗料がトリチウムかルミノバかという差によって、近代的もしくは古臭いという印象の差があり、より近代的なモデルのほうが好まれた傾向があったのです。
そして、ノーチラスの場合、ゴシック体デイト表示になる以前のモノは基本的に青文字盤だったため、安く手に入るモノ=青文字盤という印象がありました。
ただ、前途のようにそれは年式による価格差だったため、青文字盤でもゴシック体のものは黒文字盤とそんなに値段が変わらなかったのです。
で、その頃ノーチラスはいくらだったかというと、新品が80万円台後半ぐらいという相場。
90年代後半から2002年ぐらいまでそういう傾向でしたが、2003年から2005年にかけてじわじわと値上がり。
この記事の2005年の相場を見ると今より75万円も安いとびっくりしていしまいますが、実は当時としても40万円近く値上がり状態だったのです。
ですからその頃、ノーチラスを買いたいと思っても、かなり割高という印象に違いはありません。
しかし、もうお分かりの通り、その時点で“割高な新品”を買ったとしても、そこから75万円も値上がりしているのです。
ということで、腕時計を買う際に重要なのは、その時点での価格で判断するのではなく、将来的な価値を予測すること。
そうすれば、このノーチラスのように、良い時計を何年もつけて楽しんで、買った値段より高く売るということが可能となるのです。
|