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2017年中古腕時計の動向

2017年中古腕時計の動向

今年2017年、中古腕時計の相場がどのような動きになったのか。改めて振り返って見たいと考えます。

ロレックス

ロレックススポーツモデルが全体的に値上がり傾向となり、特に5桁リファレンスの値動きが目立っています。

デイトナ16520

2016年12月頃から16520が値上がり傾向となり、それまで120万円程度だった相場が2017年1月には150万円程度へと上昇。その後も値上がり傾向が続き9月には200万円以上となりました。ただしその後は200万円を下回ることもあったため、200万円前後という状態で値上がりは落ち着きました。

サブマリーナ16610LV

5月頃から値上がりを開始。サブマリーナ16610LVはそれまで70万円台という相場でしたが現在では100万円台という相場となっています。

GMTマスター2 16710

9月頃から値上がりが目立つようになり、それまで60万円台だった相場が80万円台前半まで上昇。16710は2016年夏以前には60万円台後半という相場でしたが、2016年8月以降は一時的に50万円台となることもありました。2017年には相場が回復し、それ以前よりも上昇しています。

エクスプローラー14270

11月頃から値上がり。エクスプローラー14270はかつてプレミア価格の代名詞的存在だったモデルですが、ここ数年は長らく30万円台後半という相場をキープしており目立った値動きをしていませんでした。それが40万円台前半まで上昇しています。

GMTマスター 16700

11月頃から値上がり傾向となり、それまでGMTマスター216710より安かった1670016710と同水準まで上昇しています。16710が60万円台後半だったときに16700は60万円台前半でしたが、現在は80万円台前半まで上昇しています。

ヨットマスター 16622

10月頃から値上がり傾向となりましたが、12月には70万円台以上という相場まで上昇。16622の中古相場が70万円台となったのは十数年ぶりです。

サブマリーナ 16610

12月頃に16610は60万円台半ばまで上昇。16610は2015年頃から50万円台という相場でしたが、2016年8月には一時的に40万円台前半まで下落。2017年には相場が回復し、さらに以前よりも高くなっています。

6桁現行スポーツモデル

5桁リファレンスの各モデルの値動きが目立っていますが、6桁現行スポーツも全体的に値上がりしている印象です。
 
8月頃からカラーベゼルモデルの116710BLNR116610LVが、それまでの90万円前後から100万円台まで上昇し、その後黒ベゼルモデルも値上がりとなっています。また、2016年に登場したデイトナ116500LNも相場が上昇。デビュー直後の新品よりも1年後の中古相場のほうが高いという状況です。また、ヨットマスター116622はプラチナ文字盤が特に値上がりしましたが、その他の文字盤色も上昇しています。エクスプローラー214270は50万円以上となりましたが、これは2016年8月以前の相場に戻った様子です。214270は2016年8月以降に値下がり傾向となり50万円以下となり、2017年8月頃まで40万円台後半という状況が続いていました。その他値上がりが目立ったのは金無垢などの高級モデルで、ピンクゴールドコンビのヨットマスター2やメテオライト文字盤のデイトナなどが上昇しています。

4桁アンティークモデル

4桁リファレンスは仕様違いやメンテナンス履歴の有無など、個体によって価格が異なる傾向があり、相場感覚を掴みづらい傾向があります。ただし、年式やメンテナンス履歴など同じ条件で比較すると値上がり傾向が目立ちます。特にエクスプローラー1016エクスプローラー21655GMTマスター1675が値上がり傾向だと感じます。また、5桁ヴィンテージのGMTマスター2 16760やサブマリーナの168000なども値上がり傾向です。

スポーツモデル以外について

スポーツモデルの値上がりが目立つ一方、フォーマル系のモデルに関しては値上がりが目立つモデルが少ない傾向です。特に値上がりしたと感じるのはデイデイト。デイデイト2のプラチナアイスブルー文字盤や、2001年デビューの36mmモデルが値上がりした印象です。

その一方で、デイトジャストエアキングは横ばい状態。2017年1月と12月の相場がほぼ変わっていない印象です。デイトジャストエアキングは、6桁モデルが特に変わらない印象ですが、5桁モデルに関しては上昇となったモデルが存在します。特にエアキング1400014000Mは29万円以上となっており、20万円台前半だった2016年よりも高くなっています。

パテックフィリップ

パテックフィリップで特に値上がりとなったのはノーチラス。青文字盤の現行3針モデルが特に目立って値上がりしていますが、その他のステンレスモデルも全体的に値上がりした印象です。

ノーチラス

4月頃から5711/1A-010が目立って上昇。それまで300万円台前半でしたが、その頃から短いスパンで値上がりを繰り返し、12月時点では400万円以上という相場になっています。5711以前のモデルである3800/1Aも値上がり傾向となっており、特に青文字盤が高くなっている印象です。また、コンプリケーションモデルも値上がりしており特にクロノグラフの5980/1Aの値上がりが目立ちます。

その他大きな出来事としては、初代モデルである3700が複数本売り出されたという点があります。初代の3700は希少モデルであり、売り出されること自体が少ない時計です。今回、700万円台前半という価格でしたが、売り出されてから数日のうちに売れてしまいました。

アクアノート

アクアノートは現行モデルと初代モデルどちらも値上がりした印象です。特に現行世代の5167/1A5167Rの上昇が目立つ傾向ですが、これらは以前の相場に戻ったという印象。5167/1Aは2014年が最も高く、その後は下落傾向でしたが12月の相場は2014年並になっています。また、第一世代の日本限定青文字盤は過去最高値水準といった印象です。

コンプリケーション

第一世代の年次カレンダーは2016年に値下がり傾向となり200万円以下となりましたが、2017年には相場が回復。ワールドタイムは第2世代の値上がりが目立った一方第一世代は値下がり気味でした。ただ最近は第一世代も価格回復傾向となっています。

その他

その他特に目立った値動きとなったモデルはスカルプチャーで、それまで110万円台だったのが3月頃から150万円前後という相場になっています。スカルプチャーは好みが分かれるデザインのため、“ステンレス”“ブレスレット”という人気要素を備えながらもそれまで相対的に安値でした。150万円前後という相場はスカルプチャーにとって史上最高値水準だと思われます。

オフィチーネパネライ

パネライは2000年代前半までにデビューしたモデルが値上がりした印象で、特に44mm手巻きモデルが目立つ様子です。44mm手巻きモデルは2016年夏過ぎから2017年年頭まで30万円台後半でしたが、40万円台前半となっています。また、40mmブレスレットモデルの相場も上昇気味で特にクロノグラフが高くなっています。3針モデルで最も上昇したのはPAM00069ですが、黒文字盤白文字盤ともに高くなっています。2017年春頃まで30万円台後半で売られることがあった3針40mmブレスレットモデルですが、2017年後半には40万円台後半となっています。

カルティエブルガリ

カルティエブルガリは90年代モデルの人気が目立つ様子です。カルティエパシャCブルガリスポーツクロノは特に値上がり傾向ではありませんが、程度の良いモノが比較的すぐ売れる状況が続いています。スポーツクロノは白文字盤がすぐ売れる傾向である一方、パシャCは90年代に出た文字盤が全体的に人気という印象です。

パシャ38mmは若干の値下がり傾向で、特にクロノグラフとGMTの値下がりが目立ちました。金無垢ブルガリはほぼ横ばいといった感覚です。

価格が上昇したのはパシャ38mmの3針モデルとパシャ42mm。シンプルなモデルの値上がりが目立っています。

オメガ

オメガスピードマスターの値上がりが目立ち、代表的なモデルであるスピードマスタープロフェッショナルの3570.50の値上がりが印象的でした。3570.50は長期に渡り生産されただけでなく、この時計から高級腕時計の世界に足を踏み入れるというような側面もある存在。希少性とは真逆の存在であるにもかかわらず、値上がり傾向となったのは立派だといえるでしょう。その他には、同じ手巻きモデルのファーストレプリカや、ムーンフェイズモデルの相場上昇が目立っている印象です。

ランゲ&ゾーネ

代表的なモデルであるランゲ1は2016年12月頃から値下がり傾向となりましたが、2017年にもその傾向が続いています。10月の段階でも値下がりが続いており、2017年に上昇気味となった他のブランドとは対象的な値動きとなりました。

IWC

IWCは全体的に相場が変わらない印象です。特にインヂュニアAMGコラボモデルは人気要素があるにもかかわらず2009年頃と比べても大きく値動きしていない様子。また、ポルトギーゼなど人気が高いモデルでも相場変化がない印象なのは同様です。

その他

ブランパンブレゲの90年代ステンレススポーツモデルが値上がりした印象で、ブランパンフィフティファゾムスやブレゲタイプXXなどが目立っています。

シャネルJ12ルイヴィトンは2016年に安値傾向となりましたが、2017年には値上がりし反発気味。

ヴァシュロンコンスタンタンについては、オーバーシーズ第一世代の3針モデルが全体的に値上がりした印象ですが、クロノグラフモデルは横ばい状態だといえるでしょう。

オーデマピゲゼニスブライトリングなどはモデル数が多く、追いきれないという事情もありますが特に目立って値動きしていない印象です。

まとめ

2017年は数多くの腕時計が高くなった年という印象で、史上最高値水準の腕時計がいくつか存在するほどです。

最も早く値上がりしたのがロレックスデイトナ16520ですが、先陣を切って16520が高くなった後にその他の時計が続いたというようにも感じる値動きが興味深い点だと感じます。

特に、良い要素があるのに相対的に安いと感じたモデルは、16520が値上がり傾向となった2016年12月から1年後に高くなったといように、値上がりするまでにタイムラグがあったようにも映ります。

よって、良い要素があるのに相対的に安く感じるモデルに関しては、今後もそういったように、遅れて上昇する値動きとなる可能性があると思います。

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