パテックフィリップのワールドタイムにはいくつかの世代がありますが、近代的なコンプリケーションモデルとしてのデビューは2000年に登場した5110が第一世代といえます。
そんな5110という存在は、デビュー当初から注目度の高い存在という印象で、コンプリケーションにおいては、「年次カレンダー」とともに知名度の高い存在だと思います。
ただ、そんな5110は知名度の高いモデルでありながら、ここ数年の相場は値下がり傾向。
2014年頃が最も高かったというモデルがパテックフィリップに多い点は他の記事でも指摘しましたが、このワールドタイムもその例の1つだといえます。
2015年8月において5110Rは320万円という水準でしたが、1年後2016年8月には約285万円となり、30万円以上の値下がりとなったのです。そして、ノーチラスの値上がりが目立っていた2017年でも5110Rは更に安くなり、2017年6月には約253万円という水準になってしまいました。これは、2016年8月よりさらに30万円程度安くなったということであり、2度に渡り30万円規模の下落となったのです。
ただ、2018年に入ると5110Rは回復傾向となり、2月には300万円以上という水準に達しています。
そして、それから約6ヶ月経った今、5110Rはさらに上昇し約321万円となったのです。
これは、2015年8月の320万円と並ぶ水準であり、約3年の期間を経て5110Rの相場は回復しつつある様子であるのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年2月 の安値(楽天) |
2018年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ワールドタイム 5110R |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥3,021,840 | ¥3,218,400 | 196,560 | 106.50% |
ワールドタイムの5110には、様々な素材のモデルがありますが、YGである5110Jについても2018年に2014年の水準を上回っています。
ちなみに、現在5110の各モデルの中で最も安いのは、WGの5110G。5110Rが約321万円である一方、5110Gは289万円がボトム価格となっています。
ロレックスにおいてもWGの相場が安いという現象が目立ちますが、それはパテックフィリップのワールドタイムにおいても同様となっており、ホワイトゴールドの人気が以前ほど高くない様子が目立ちます。
ワールドタイムは2014年などの水準から値下がりし、2016年だけでなくノーチラスなどの価格上昇が目立っていた2017年においても同様に値下がり傾向でした。しかし、2018年からは値上がりに転じ、2015年の水準まできちんと回復している状況となっています。
パテックフィリップはワールドタイムに限らず、2014年や2015年頃と比較して値下がり傾向だったモデルが、回復する様子が目立つようになってきました。
今後、これらモデルの値動きがどのような様子になっていくのか興味深いと感じます。