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現在相場考察

9年で変化した額、デイデイト118209白文字盤

2018年10月14日更新
ロレックスのデイデイト118209について斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年7月の安値(ヤフオク)と2018年10月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この9年3ヶ月での変動は33万9000円の値上がりだった。

デイデイト 白文字盤 オイスターブレス 118209についての考察(2018年10月)

2013年にアベノミクスが始まって以降、数多くの腕時計が値上がりしたという印象があります。

ただ、その腕時計の値動きは、2013年前後に大きく変化した後は、それほど目立って変わらないという印象でした。

それが、2017年頃からは、アベノミクスに匹敵するような大きな経済的出来事がないのにもかかわらず、多数のモデルが値上がり傾向となった様子が目立ちます。

例えばデイトナ16520の場合、アベノミクス以前には80万円台だったのが、アベノミクス以降は120万円前後となりました。

16520120万円程度という様子は、現在220万円台であることを考慮すると「かなり安い」という印象ですが、2015年当時はすでに「値上がり後」だったため「安い」という印象がなかったことは、当時の記事を見ても分かります。

しかし、そんな16520は2016年12月頃から目立って値動きし、2017年には200万円程度にまで上昇したのです。

2017年の上昇は、2013年頃よりも額が大きかったというのは興味深い点だといえます。

そのような現象は、デイトナ16520以外の様々なモデルでも見ることができ、ロレックスに限らず、パテックフィリップオーデマピゲなど多々ブランドで起こっているといえます。

ですから、近年における腕時計の値動きの印象は、2013年に高くなり、2017年にはさらに高くなったという感覚があるといえます。

しかし、そんな中、それほど大きく値動きしていないモデルも存在します。

そういった傾向があるのは、知名度が比較的低いブランドやモデルが該当するのですが、今回お伝えするそれはそういった傾向ではありません。

そのモデルこそ、2000年にデビューした世代のデイデイトであるのですが、特に“スムースベゼル+オイスタータイプのブレスレット”という組み合わせの場合、大きく値動きしてない印象です。

デイデイトには様々な文字盤色がありますが、この118208白文字盤の場合、2009年7月から変化した額は約34万円という水準。

「デイデイト」という有名かつ高級なモデルでありながら、9年少しの間で変化した額が約34万円なのです。

先日お伝えしたデイトナなど、ロレックスの金無垢ブレスレットモデルの場合、1年程度の期間でも30万円前後の値動きは珍しくありません。

さらにそれは、WGモデルでも同様です。

WGモデルは2009年頃、YGより高い相場でしたが、最近は人気がないためか、デイトナでもサブマリーナでもYGよりWGのほうが安い傾向があります。

しかし、そういったWGモデルでも1年で30万円前後の値動きをしています。

ですから、このデイデイト118208の値動きは他のロレックスと比較するとあまり変化がないといえます。また、高級モデルでありながら、現在過去価格と大きく変わらず購入可能な“お得モデル”という側面を持っているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年7月
の安値(ヤフオク)
2018年10月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
デイデイト
白文字盤
オイスターブレス
118209
中古 9年
3ヶ月
¥1,250,000 ¥1,589,000 339,000 127.12%

デイデイトにおいて、比較的高値なのは、118238などですが、それらに共通するのは「フルーテッドベゼル」「プレジデントブレスレット」という要素です。

これら組み合わせは、デイデイトの伝統的な要素ですし、特にプレジデントブレスレットはデイデイト専用という要素です。(女性用金無垢デイトジャストにも採用)

ですから、よりデイデイトらしいモデルのほうが高値という傾向があるといえます。

この118208のように、スムースベゼルとオイスターブレスレットという組み合わせは、デイデイトでなくてもよく見かけるロレックスの仕様。

そのため、今となっては「デイデイトらしくない」という印象で、値動きしていないのかもしれません。

しかし、これが出た2000年当時においては、この仕様のデイデイトがそれ以前に無かったことから、とても新鮮に写り「新しいデイデイト」という印象が強かったように思います。

今となっては、新しいデイデイトというポジションには「デイデイト40」がありますし、それ以前にも「デイデイト2」が存在。

ちなみに、オイスターブレスレットの118208は現在でも現行モデルとして継続されています。YGが現行かつ、かつて「新しい」という印象のあった118209は、以前ほどの新しさを感じることができず、デイデイトらしくない見た目のため、人気度が低いのかもしれません。

デイデイトといえば高い印象があり、特に2000年代以降のモデルはその印象が強いように感じます。

けれども、この118209のように、2000年デビューでありながら相対的にお得感を感じるモデルもあるのです。

ちなみに、現在118209と同じ価格で何が購入可能かというと、ディープシーのDブルー文字盤など人気の高いステンレスモデルなどが選択できます。かつての様子では、116520ですら、デイデイトの118209と同水準となっていたことはありませんでした。

しかし、今となっては、118209116520やDブルー文字盤など人気のあるSSモデルと同水準か、それより安く購入可能な存在となっているのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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