2000年代前半にエクスプローラー14270がブームだった時代、筆者はアクアノートを見て「次のエクスプローラー」だと感じました。
当時の14270は、約34万円という定価に対して新品実勢価格は10万円以上も高く、中古でも38万円ぐらい出さないと買うことが難しかったのです。
そのため、筆者は「既に高い時計を買うならば、これから高くなる時計を買ったほうがお得」と思い、ポストエクスプローラーという存在が何になるのか考えたのですが、その答えとして、雲上スポーツという存在が面白いという結論に至ったのです。
当時の雲上スポーツは、とても注目度が低く、定価に対して新品実勢価格が50万円ぐらい安いというのが当たり前だったのです。
そのため、このアクアノートの新品実勢価格もだいたい80万円台後半ぐらいという印象で、当時の税込換算で90万円ぐらい出せば簡単に買えたのです。
当時の90万円という水準は、14270より高かった反面、デイトナ116520よりも安い価格帯。定価や雲上ブランドという観点からして、90万円という価格はとても魅力的だと思ったのですが、その価格でも誰も欲しいと思わなかったようで、アクアノートやノーチラスはいつでも90万円ぐらいで手に入るという印象でした。
そんなアクアノートは、現在では大人気状態となり、その中古水準は年々上昇しているといえる状態です。
特に、5065/1Aは最近目立って上昇しており、今では300万円台という水準に達しています。
そのため、ブレスレットのアクアノートは第二世代を含め、300万円以上でないと買えないという印象なのが、まさに2019年の状況なのですが、実はまだ200万円代前半で購入可能なモデルが存在します。
それは、5066/1Aというミディアムサイズのモデルで、2019年5月現在でも226万円という水準で購入可能なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値(楽天) |
2019年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
アクアノート 5066/1A |
中古 | 0年 7ヶ月 |
¥2,214,000 | ¥2,260,000 | 46,000 | 102.08% |
5066/1Aは、ミディアムサイズのアクアノートで、約33mmというケースサイズ。5065の約38mmと比較すると小さく感じ、2019年現在の印象では特に小さいと思われるかもしれません。
しかし、このサイズこそアクアノートの初代モデル5060Aに採用されたものであるため、アクアノートとしては基本形だといえるのです。
つまり、ミディアムサイズは「小さい方のモデル」ではなく、「標準サイズのモデル」であるのです。
ですから、ブレスレットモデルも用意されていたわけですし、定価も、2000年代前半の新品実勢価格も、5065/1Aと大きく変わりなかったのです。
それが、今となっては5065/1Aとの価格差は100万円程度という状況。
ここ数年、5066は、5065より安いという相場は珍しくなかったものの、100万円の差となることはなかったと思います。
第一世代のアクアノートは現行時代において注目度が低かったためか数が少なく、今ではツウの1本という印象があります。
その見た目も魅力的で、ブレスレットは特に人気という印象があります。
そのため、5065/1Aがそうであるように、ずいぶん高くなってしまったという印象もあるのですが、5066/1Aは、現在でも200万円台前半といったように同世代のスポーツパテックと比べて相対的に安く、ある種の穴場的存在だといえる状況なのです。