2019年7月頃から多くの人気ロレックスが値下がり傾向となっていますが、主にそういった動きだと感じるのは「現行世代」という印象があります。
ロレックスには、現行世代(6桁)、5桁世代、4桁世代がありますが、2017年以降、いずれの世代も、それまでよりさらに値上がり傾向となっていたため、6桁世代に起こっている値下がりは約3年ぶりということになります。
6桁世代の値下がりが目立つ反面、現在5桁世代で値下がりしているモデルは目立っておらず、一見すると、2019年7月以降の値下がりは現行世代に限るという印象になるわけです。
しかし、よく見てみると、4桁世代の一部モデルも値下がり傾向となっており、特にエクスプローラーの1016は、値下がりというより、安いと筆者は個人的に感じてしまうほど。
4桁世代には、「日本ロレックスの証明書が重要」など面倒な点が多いため、相場を見極めるには手間が多く、なおかつ、実際に購入したいと思っても、個体によって条件が異なる場合が多いため、購入するには高度な目利き力が必要となります。
そのためか、近年、4桁世代のロレックスは、20年ほど前と比べて存在感が薄く感じてしまう状態。
筆者もそうなのですが、4桁世代のロレックスは魅力的だと思う反面、相場観など、“現在の様子”の感覚を掴むのが難しいため、あまり頻繁にチェックしなくなってしまっています。
そして今回、久々にチェックしてみて、筆者個人的には「安い」と感じてしまいました。
久々にチェックといっても、筆者はほぼ毎日いろいろな時計を見ているため、期間は2ヶ月ぐらいにすぎないのですが、その2ヶ月の間には2019年7月がまさに挟まれており、この1016も6桁世代同様、値下がり傾向となっていたようなのです。
では、現在この1016のボトム価格はどういった様子なのかというと、それは134万円という水準であるのですが、これは1年前と比べて24万円の値下がり状態。
ただし、1年前の個体は「ハックなし世代」、今回の個体は「ハックあり世代」のため、比較対象は2016年の個体としました。(いずれも日本ロレックス証明書付きの個体)
本記事で参考とした中古腕時計
|
|
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年7月 の安値(楽天) |
2019年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ロレックス
エクスプローラー (日本ロレックス明細書) 1016 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥1,188,000 | ¥1,340,000 | 152,000 | 112.79% |
ここ2年ぐらい、「ハックなし」が最安値に位置した傾向がありましたが、、現在は「ハック付き」の中期モデルが最安値傾向となっている様子です。
1016には大きく3つの世代があるといえ、ハックが無いモデルは、1960年代中盤頃までに製造された1016の初期モデルにあたります。
ハックありモデルは60年代後半から最終モデルまでに該当するのですが、80年代後半の最終世代は、1016の中でも最も高い傾向があります。
ですから、前期ハックモデルや最終世代と比べると、初期でも最終でもない70年代のハックありモデルは「レア」という要素が薄いと思われたのかもしれません。
さて、2018年と比べて、現在値下がり傾向となっている1016ですが、2016年と比べると15万円ほどの値上がりとなります。
1016は20年ほど前から、アンティークを象徴する人気モデルといった印象がありましたが、近頃の水準はそういったイメージからすると、あまり値上がりとなっていなかったようです。
そして今回、2018年と比べて、ロレックス明細書付きのボトム価格は、24万円安くなっているわけですが、その程度の値下がり水準で、すでに2016年との価格差が「+15万円」という様子。
カラーベゼルやデイトナなどの場合、値下がり傾向の現在相場でも、2016年夏頃と比べると「+60万円」(116710BLNR)とか「+145万円」(16520黒文字盤)といった差になります。
ですから、そういったモデルと比べると、同じ「人気モデル」という印象の1016は、やはり相対的に安く感じるわけです。