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現在相場考察

70万円台後半という水準、ミルガウス116400GV黒文字盤

2019年11月27日更新
ロレックスのミルガウス116400GVについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年9月の安値(楽天)と2019年11月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2ヶ月での変動は2万2000円の値上がりだった。

ミルガウス 黒文字盤 116400GVについての考察(2019年11月)

2007年に復活し、当時は現行SSロレックスの中で最も高い新品実勢価格となったミルガウス116400GV180万円台という価格帯となったこともあり、デビュー翌年の2008年でも160万円台という水準を維持しているほどでした。

しかし今の時代、このミルガウスに対し、そういった「大人気」という印象はあまりないといえます。

というのも、この116400の価格序列を見ればすぐに分かるのですが、同世代のスポーツ系の中で下から2番目程度といった価格帯。2016年にデビューしたエアキングを除くと、この116400ミルガウスは、エクスプローラー214270の次に高いという状況であり、あまり高いという印象はありません。

この116400GVが安くなったのは、リーマンショック後のことなのですが、2008年12月には、新品実勢価格が60万円台という水準にまで下落していました。

ただ、その時代において、価格序列という意味では、このミルガウスはそれほど安いという感じではなかったといえます。

2012年時点の中古相場は40万円台という状況でしたが、当時、この116400よりも安い価格帯の人気スポーツモデルは複数あったため、それらと比べるとミルガウスは「安い」わけではなかったのです。

では、いつからミルガウスが、価格序列の面でも安い印象となったかというと、アベノミクス以降なのですが、他のロレックスが高くなった一方で、116400GVは2017年上半期まであまり値動きしない傾向がありました。

ですから、この116400GVは、

  • デビュー時の新品実勢価格が凄い
  • 2008年の大暴落が凄い
  • アベノミクス後でも目立った値動きしない
  • という3つの「凄さ」があるわけなので、何かと「異例の値動き」をするモデルだといえます。

    そして、そんな116400GV黒文字盤は、今もまた異例ともいえる値動きとなっているわけなのですが、それはどういうことかというと、2019年11月の今、値上がり傾向となっている様子があるのです。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2019年9月
    の安値(楽天)
    2019年11月
    の安値(楽天)
    変動額 残価率
    ロレックス
    ミルガウス
    黒文字盤
    116400GV
    中古 0年
    2ヶ月
    ¥748,000 ¥770,000 22,000 102.94%

    2019年といえば、上半期に派手に上昇したロレックスが多い一方で、夏過ぎには値下がり傾向となっています。

    そんな中、この116400GV黒文字盤は、11月の今、値上がり傾向となっているのです。

    ただ、その値動きは、2万円程度という水準で、微々たるものと感じるかもしれません。また、10月には消費増税があったため、消費税10%による影響を考慮すると、その上昇額は1万円程度となります。

    しかし、それでも116400GVの値上がりはインパクトが有ると感じます。

    なぜかというと、現在の70万円台後半という水準は、116400GV黒文字盤としては、かなり高くなったと感じるからです。

    116400GV黒文字盤は、2012年1月時点で約50万円、2017年3月時点で約55万円という水準でした。2012年といえば全体的にロレックスが安い時代、2017年3月といえば、値上がりが目立っている時代です。

    そういった2つの時代において、この116400GV黒文字盤は5万円程度の値動きしかしていなかったわけなのですが、現在ではそれが77万円という水準になっているのです。

    ですから、リーマンショック以前の水準にはまだほど遠いものの、2017年頃までの印象を考慮すると、だいぶ高くなったと思うわけです。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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