2015年にデビューしたヨットマスターの116655は、そのキャラクターから、派手な値動きを見せるモデルかと思うところでしたが、これまでの動きはそういったものに該当するとは言えませんでした。
実際、このモデルは2015年⇒2016年の新品実勢価格において、57万円以上の下落となっており、その後も派手な値上がりになるといったことはなかったといえます。
もちろん、これまでの事例では、「デビュー年の実勢価格が最も高い」ということはよくあるため、この116655の値動きが特殊というわけではないでしょう。
けれども、2016年に登場したデイトナ116500LN以降、デビュー年の新品実勢価格より、後の中古相場のほうが高いというモデルは、ロレックスにおいて珍しくなくなってきているため、この116655のような尖ったモデルがそういった動きとなっても不思議ではないといえます。
実際、116655は、初のラバーベルト採用モデルであったり、ベゼルもラバー系の黒であるなど、ロレックスとしては異色な要素が許された存在で、RGという高級要素と相まって、「憧れられる」系統の存在感を発揮しているといえます。
ただ、これまでの値動きを見る限りでは、この116655は人気モデルとは感じず、尖った要素を持つモデルながら、116655以降に登場した新作の影に隠れるような印象があったといえます。
そんな116655はここのところどういった動きとなっているかというと、この1年ではきちんと値上がりしている様子があります。
現在、116655は、約247万円という水準ですが、これは2018年12月と比較して、10万円以上といった上昇額。他のモデルと比べると目立っているとはいえませんが、これまでの116655の様子を考慮すると、2019年は伸びたという印象だと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年12月 の安値(楽天) |
2019年12月 の中古安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー ヨットマスター 116655 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥2,343,600 | ¥2,500,000 | 156,400 | 106.67% |
116655は、2015年11月の新品実勢価格(安い順の3社平均値)が約265万円でしたが、2016年9月の段階では約208万円という新品実勢価格(安い順の3社平均値)となっています。
2016年9月といえば、相場が全体的に下落していた時期であるため、この116655が下落していても仕方がなかったといえます。
しかし、その後、多くのロレックスが反発するかのように上昇したのとは異なり、この116655はそれほど目立った動きとはなっていなかったのです。
この1年は比較的動いた印象ですが、それでも現在水準は2015年の新品実勢価格以上とはなっていません。
116655が2019年に動いたのは、3月のバーゼルで生産終了が発覚したことによる影響があると思いますが、後継モデルの126655は事実上のマイナーチェンジモデルともいえるため、その動きは10万円台といったところなのかもしれません。
とはいえ、事実上のマイナーチェンジでも、ディープシーなど値動きするモデルがあるため、10万円といった値動きの116655は依然としてあまり動かないという印象であるかと思います。
116655はこういった動きであるため、尖った高級ロレックスとしては、意外とお得感のある1本だといえるのではないでしょうか。