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現在相場考察

一気に上昇、デイトナ緑文字盤116508

2020年7月27日更新
ロレックスのデイトナ116508について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年5月の安値と2020年7月の安値を比較し現在相場を考察。この2ヶ月での変動は127万2000円の値上がりだった。

デイトナ 緑文字盤 116508についての考察(2020年7月)

2016年のバーゼルで新型になったYGデイトナ。これに限らず、この年にはSS、YGコンビもモデルチェンジ。それらはいずれも、従来から存在するオーソドックスな素材で、前モデルが2000年に一斉にモデルチェンジされた経緯があります。

ただ2016年のモデルチェンジの際、SS、つまり116500LNは前モデルと異なる印象だったのに対し、コンビとYGは前モデルと「ほとんど変わらない」という見た目で登場しました。

そのため、116508は登場時、時計ファンからの注目度はそこまで高くなく、実は筆者もデビューしていたことを認知していなかったぐらいでした。

とはいうものの、この116508にはスターのような存在があります。

それこそが緑文字盤なのですが、この色は116528時代には無かったため、116508にしかない要素。「緑」といえば、ロレックスでは重要な色で、それを採用するモデルは、スポーツモデルの場合全てが「高い」といても過言でないほど。116508の緑文字盤も、その例に漏れることなく「高い」といった印象で、2020年3月の新品実勢価格は503万円という水準だったのです。

しかし、その直後、新型コロナをきっかけとして中古市場に下落トレンドが発生。その結果、116508緑文字盤は5月に約470万円というボトム価格となり、「2ヶ月で約32万円の下落」という状況に陥ったのです。

さて、それから2ヶ月が経過したわけですが、現在の状況はどうなっているのでしょう。

今の時期といえば、他のモデルではすでに回復となっているモデルが多く、それらの中には過去最高値に匹敵する水準となっているものも存在します。

そして、116508の水準もまた驚く様子となっており、なんと現在598万円という中古水準。これは、5月水準に対して約127万円という驚異の値上がりとなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年5月
の安値
2020年7月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
緑文字盤
116508
中古 0年
2ヶ月
¥4,708,000 ¥5,980,000 1,272,000 127.02%

値下がり前の3月水準が503万円でしたから、現在水準はそれと比べても95万円ほど高いといったところ。

よって、この116508緑文字盤は過去最高値に匹敵する水準といえるぐらいになっているわけです。

このような様子となっている116508緑文字盤ですが、筆者としては数週間ほど前から異変を感じていました。

それは売出し数が減っていくという現象だったのですが、実は記事準備中に対象としていた個体も、準備中という数日間のうちに売れてしまうという現象が起こっています。

ですから、116508緑文字盤は、“売出し個体が少ない”状況で“比較的すぐ売れる”といったことが重なっているため、分かりやすく「供給<需要」となっているのでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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