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現在相場考察

LM自動巻でも10万円台、タンクディヴァンW6300755

2020年8月27日更新
カルティエのタンクディヴァンW6300755について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年8月の安値と2020年8月の安値を比較し現在相場を考察。この3年0ヶ月での変動は6万2200円の値下がりだった。

タンクディヴァン W6300755についての考察(2020年8月)

カルティエの腕時計は女性から人気が高い傾向がありますが、「男性用」としてデビューしたモデルが気づいたら「女性向け」となっているケースがこれまで何度も見受けられました。

今回取り上げるこのタンクディヴァンもまさにその例の1つですが、2002年にデビューした際、「男性用」を強く打ち出していたといえます。

タンク」はカルティエに古くからあるシリーズですが、2002年にその新作としてデビューした際、「横長ケース」という特徴から「第3のタンク」といった新鮮さを感じたことを強烈に覚えています。

そして「横長」は単に奇をてらったわけではなく、実はその理由が存在。それこそが「ドライバーズウォッチ」ということなのですが、運転中に見やすい形状が横長というわけです。

タンクディヴァンが登場した2002年には、同時にロードスターがデビューしましたが、いずれも「クルマ」がテーマという点が共通。ロードスターに関しては、男性用のみのラインナップとなっていました。

ちなみに、ロードスター“工具を使わない脱着式ストラップ”が売りの1つでしたが、この機能は、近年発売されたサントスパシャで採用。その元祖がロードスターであるのです。

そんなタンクディヴァンロードスターですが、デビューから数年後には、気づいたらどちらも「女性用」という印象となっていました。

ディヴァンには、男性用サイズだけでなく当初から女性用サイズもあったのですが、LM自動巻ですら、ピンク色のストラップがつけられた中古を見かけます。ロードスターに関しては、当初男性用のみのラインナップだったのが、後に女性用が追加されています。

とはいえ、LM自動巻モデルは、はっきり男性用だと分かるため、それほど女性用といったイメージが強くなってしまったわけではないでしょう。

しかし、その中古相場はこの3年ではなんと値下がり傾向。ちょうど3年前の2017年8月、このLM自動巻のタンクディヴァン約25万円という水準だったのが、今では約19万円というボトム価格。(ABランク以上)

2017年の印象では、LM自動巻となると「それなりに高い」という印象でしたが、2020年現在では、LM自動巻でも10万円台で購入可能なのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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☆良品【CARTIER】カルティエ タンクディバンLM W6300755 自動巻き メンズ

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年8月
の安値
2020年8月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
タンクディヴァン
W6300755
中古 3年
0ヶ月
¥258,000 ¥195,800 -62,200 75.89%

タンクディヴァンには、先の通り女性用と男性用がありますが、SSの通常モデルというくくりの中では、LM自動巻が抜きん出て高い印象がありました。

しかし今では、LM自動巻でもクォーツモデルとそれほど変わらない状況となっています。

このタンクディヴァンが安くなった原因として推測できるのは、この時計の知名度が低くなったからだと思います。

2002年にデビューした際、当時の腕時計ファン界隈では話題となったディヴァンですが、2010年代までには生産終了となった模様。ですから、今では生産終了から10年以上が経過しているわけで、記憶から薄れていると同時に、若い方など「そもそも知らない」という方も多いわけで、あまり需要が高くないのでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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