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現在相場考察

500万円台になった、ロイヤルオークエクストラシン15202ST.OO.1240ST.01

2020年11月29日更新
オーデマピゲのロイヤルオーク15202ST.OO.1240ST.01について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年2月の安値と2020年11月の安値を比較し現在相場を考察。この9ヶ月での変動は45万1200円の値上がりだった。

ロイヤルオーク エクストラシン 15202ST.OO.1240ST.01についての考察(2020年11月)

様々な種類があるロイヤルオークの3針モデルですが、「最も高い」といったポジションがこのエクストラシンであります。

この15202というリファレンスは以前からあったものの、2012年に「エクストラシン」という名前がつけられたのが、この15202ST.OO.1240ST.01。それ以前から、15202系は「オリジナルに忠実」という役割を担ってきましたが、エクストラシンでは「初代の復刻版」といったぐらい5402に寄せています。

特に文字盤上の「APロゴ」の位置を見ると、そういったことは一目瞭然で、以前の15202が近代的なモデルと同じように12時付近だったのが、エクストラシンでは6時位置になっているわけです。

そのような特別感からエクストラシンという存在は、抜きん出て高いロイヤルオークという印象があったわけですが、値動き的には「動く」ときと「動かない」ときがあるように思います。

ここ最近はどうだったかというと、「動かない」ほうだったといえます。その理由は、15400など他の3針モデルが目立って上昇しているにも関わらず、エクストラシンは目立った値動きをしていなかったからです。

その結果、15400ST青文字盤との価格差が少なくなってしまい、10月時点では両者の差は45万円程度に縮まっていました。

そんな15202エクストラシンですが、そのようなことに影響されてなのか、11月の今、なかなか目立った値動きとなっているのです。

現在、この15202ST.OO.1240ST.01は、約533万円というボトム価格になっているのですが、これは2月水準に対して約45万円の上昇。

そして、その結果、15400青文字盤との価格差も91万円にまで広がったのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年2月
の安値
2020年11月
の安値
変動額 残価率
オーデマピゲ
ロイヤルオーク
エクストラシン
15202ST.OO.1240ST.01
中古 0年
9ヶ月
¥4,883,800 ¥5,335,000 451,200 109.24%

ロイヤルオークのラインナップには、「近代的」「オリジナル」という2つの系統があるのですが、これが腕時計ファンにも分かりづらいといえます。

「オリジナル」が15202系統で、それ以外は「近代的」となるため、この差さえ把握すれば、ラインナップの意図が分かるのですが、普通に見てしまうと「大きい方よりも、少し小さくて薄いほうがかなぜか高い」という捉え方になってしまうでしょう。

クルマで例えるならば、15400など「近代的」なモデルが、ベンツGLSクラス、15202はGクラスとするのが分かりやすいわけで、15202はちょっと不便なところもあるが、それもまた魅力の1つといえる本格派だといえます。

実際、15400のほうには近代的な自社製ムーブメントが搭載されている一方、15202にはJLCベースのムーブメントが搭載。しかも、このムーブメント、デイトの早送り機能が搭載されていません。

「早送り機能なし」はロレックスであれば、4桁ぐらい古い世代となるわけですが、現行モデルでそのような不便さがあるのが15202ならではの特徴です。

以前では、こういった本格要素は一般ユーザーには好まれないとされていましたが、今や「本格」こそ価値があるとされているわけです。

そういった意味では、15202のエクストラシンというモデルは、圧倒的強さがあると感じられるわけですが、意外にも、時期によって「値動きするとき」と「しないとき」があるのが興味深いといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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