様々な種類があるロイヤルオークの3針モデルですが、「最も高い」といったポジションがこのエクストラシンであります。
この15202というリファレンスは以前からあったものの、2012年に「エクストラシン」という名前がつけられたのが、この15202ST.OO.1240ST.01。それ以前から、15202系は「オリジナルに忠実」という役割を担ってきましたが、エクストラシンでは「初代の復刻版」といったぐらい5402に寄せています。
特に文字盤上の「APロゴ」の位置を見ると、そういったことは一目瞭然で、以前の15202が近代的なモデルと同じように12時付近だったのが、エクストラシンでは6時位置になっているわけです。
そのような特別感からエクストラシンという存在は、抜きん出て高いロイヤルオークという印象があったわけですが、値動き的には「動く」ときと「動かない」ときがあるように思います。
ここ最近はどうだったかというと、「動かない」ほうだったといえます。その理由は、15400など他の3針モデルが目立って上昇しているにも関わらず、エクストラシンは目立った値動きをしていなかったからです。
その結果、15400ST青文字盤との価格差が少なくなってしまい、10月時点では両者の差は45万円程度に縮まっていました。
そんな15202エクストラシンですが、そのようなことに影響されてなのか、11月の今、なかなか目立った値動きとなっているのです。
現在、この15202ST.OO.1240ST.01は、約533万円というボトム価格になっているのですが、これは2月水準に対して約45万円の上昇。
そして、その結果、15400青文字盤との価格差も91万円にまで広がったのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2020年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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オーデマピゲ
ロイヤルオーク エクストラシン 15202ST.OO.1240ST.01 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥4,883,800 | ¥5,335,000 | 451,200 | 109.24% |
ロイヤルオークのラインナップには、「近代的」と「オリジナル」という2つの系統があるのですが、これが腕時計ファンにも分かりづらいといえます。
「オリジナル」が15202系統で、それ以外は「近代的」となるため、この差さえ把握すれば、ラインナップの意図が分かるのですが、普通に見てしまうと「大きい方よりも、少し小さくて薄いほうがかなぜか高い」という捉え方になってしまうでしょう。
クルマで例えるならば、15400など「近代的」なモデルが、ベンツGLSクラス、15202はGクラスとするのが分かりやすいわけで、15202はちょっと不便なところもあるが、それもまた魅力の1つといえる本格派だといえます。
実際、15400のほうには近代的な自社製ムーブメントが搭載されている一方、15202にはJLCベースのムーブメントが搭載。しかも、このムーブメント、デイトの早送り機能が搭載されていません。
「早送り機能なし」はロレックスであれば、4桁ぐらい古い世代となるわけですが、現行モデルでそのような不便さがあるのが15202ならではの特徴です。
以前では、こういった本格要素は一般ユーザーには好まれないとされていましたが、今や「本格」こそ価値があるとされているわけです。
そういった意味では、15202のエクストラシンというモデルは、圧倒的強さがあると感じられるわけですが、意外にも、時期によって「値動きするとき」と「しないとき」があるのが興味深いといえます。