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2021年3月11日更新

阿部泰治のパテック論 ~第50回~ 「Ref.5230G-001」ワールドタイム・「Ref.5170G-010」クロノグラフ

みなさん、こんにちは。

本日は、コミットを始めてから初の現行ワールドタイム「Ref.5230G-001」が入荷致しましたので、そちらのご紹介と、2017年に生産が終了となった人気の2カウンタークロノグラフ「Ref.5170G-010」のお話をしていきたいと思います。

ワールドタイムは、この【 パテックフィリップ 】論を始めた第一回目で、思い入れのあるモデルとして取り上げさせていただきましたが、2000年に復刻してから三代目にあたる現行のモデルは、実はコミットを始めてから初の取扱いであります。

カタログで見ていた限りでは、正直このモデルはどうなのかな、、、?と思っていた部分はありましたが、実機を見ると、さすが【 パテックフィリップ 】!!!と、言わざるを得ない完成度でありました(笑)

みなさんも是非最後までお読みいただき、その素晴らしさを感じてみて下さい。

「Ref.5230G-001ワールドタイム 18KWG
2016年の新作で発表されたワールドタイム「Ref.5230G-001

2016年早々にクロワゾネ(有線七宝)文字盤を除いた仕様が生産終了となった「Ref.5130」の後継モデルとして、18KRG(ローズゴールド)と18KWG(ホワイトゴールド)の仕様で登場しました。

ワールドタイム史としては三代目にあたる本モデルですが、ムーブメントは初代から変わらず「Cal.240 HU」を搭載しております。

デザイン変更のなかで、特にラグのデザインは大きく変わり、1950年代に発表され、今では非常に希少な「Ref.2523/1」を彷彿とさせます。ベゼルも平面的でエッジが立った形状となり、リューズガードがなくなりスッキリした見た目となりました。

ケース径は1mm小さくなって38.5mmとなりましたが、全体的なバランスはむしろ良くなったと思います。針のデザインも変更され好みは分かれると思いますが、個人的には初代「Ref.5110」と二代目「Ref.5130」を融合したかのような良いデザインであると思います。

文字盤中心部分のギョーシェ彫りですが、今までのワールドタイムの中では一番凝った複雑な仕上げとなっていると思います。

今回当店に入荷した時計ですが、保証書の日付が2019年8月と、まだメーカー保証期間内である点はオススメポイントのひとつです。使用によるスレや小キズは多少ございますが、着用感も少なく、ケースはノンポリッシュでとてもしっかりとしております。革ベルトもこのままお使いがいただける状態です。

気になる販売価格ですが【 3,498,000円(税込) 】!!
国内正規販売価格が5,984,000円(税込)ですので、かなりお得感のあるお値段だと思います。
パテックフィリップ 】ならではのワールドタイム機構を是非ご堪能ください。

最後に一つ小ネタと言いますか、気付いた点がありましたので追記いたします。こちらのモデルですが、保証書にリファレンスが「Ref.5230G-001」と記載されております。一方で、現在【 パテックフィリップ 】の公式サイトを見ると、リファレンスが「Ref.5230G-014」となっているではないですか!?

この違いは一体なんなんだ!?文字盤中央のギョーシェ彫りの仕上げの仕様が変わったのか?色味が変わったのか?、、、などと色々と調べてみると、ある事に気が付きました。


*参照:patek.com

答えは、都市名「TOKYO」の左下「HONG KONG・香港」が「BEIJING・北京」に表記変更となっているのです。2019年のカタログから、リファレンスの枝番が変更となり、文字盤も変わっていたようです。なかなか面白い発見ですね(笑) *既に知っていた方はすみません。

「Ref.5170G-010」 クロノグラフ 18KWG
2015年に発表され、2017年までの僅か3年ほど製造された「Ref.5170G-010

黒文字盤にアップライドのブレゲ数字インデックス×リーフハンドの組み合わせが、とにかくカッコいいモデルですね。

「Ref.5170」自体は、2010年に18KYG(イエローゴールド)の素材で発表されました。レマニア社製ベースのムーブメントを搭載した先代の「Ref.5070」と比べると、ケース径は42mmから39mmにサイズダウンしました。文字盤はアップライドのアラビア数字のインデックスからローマ数字とバーインデックスの組み合わせとなり、針もバトンハンドに変更され、随分と落ち着いてしまったなというのが当初の私の印象でした。

しかし、そこはさすがの【 パテックフィリップ 】です。素材の追加や文字盤の仕様変更をし、2015年に今回ご紹介するモデル「Ref.5170G-010」を登場させました。

ムーブメントは先代のレマニア社製ベースの「Cal.CH 27-70」から、完全自社開発・製造の「Cal.CH 29-535 PS」へ変更。(*こちらが初搭載されたモデルは、2009年秋に発表されたクッションケースを採用したレディースモデル「Ref.7071R」)

こちらの時計ですが、今年に入ってメーカーオーバーホールをしており、2年近くの修理保証期間が残っていますので安心してご使用がいただけます。【 パテックフィリップ 】の時計は、オーバーホール費用も高額なため、買われる方にとってはプラス材料であると思います。もちろん、付属品も完備しております。

こちらの気になる販売価格ですが【 6,468,000円(税込) 】!!

既に生産が終了しているモデルですので、現時点での国内正規販売価格のお伝えは出来かねますが、最終の正規販売価格は1000万円近くであったと記憶しています。

デザイン・状態・プライス!3拍子揃った【 パテックフィリップ 】のクロノグラフはとてもオススメできる個体です。

まとめ

ここのところ、以前にも増して【 パテックフィリップ 】の時計の動きが活発になってきております。

流通している時計の数はそこまで多くはありませんが、今後とも積極的に仕入れをし、沢山の魅力的な【 パテックフィリップ 】の時計を、皆さまにご紹介出来ればと思います。

非常事態宣言もニ週間延長となりましたが、これから温かい季節となり、時計の露出も多くなると思います。素敵な時計ライフを送る為の一助に、このコラムがなれば幸いです。

では、また!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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