カレラとモナコという存在は、現在のタグホイヤーの中でメインモデルといった感覚があるわけですが、モナコのほうがよりマニアックという印象です。
通常、中古相場では、「マニアック」という点は評価されやすいように感じられますが、マニアックな初代復刻モナコの評価は、そこまで高くないといえます。
もちろん、2017年頃までの水準と比較すると、立派に値上がりしているのですが、実は現在水準は2018年7月よりも安いという状況でもあります。
2018年7月のボトム価格は、約28万円という水準だったわけで、当時としてはカレラと同じように評価されているという感覚でした。
しかしそれ以降、カレラは継続して評価されているのに対し、この初代復刻モナコの評価は不安定な状況へと変化。
なぜ、このCS2110がこういった状況となっているのかは分かりませんが、70年代のオリジナルモナコと似ていないということが、復刻カレラとの差の理由なのかもしれません。
実際、カレラは1964年版を忠実に再現した一方、このモナコは当時の青文字版を復刻したというわけではありません。
とはいっても、LVMHグループ入りする前の、この復刻世代ならではの独特な雰囲気を醸し出しているわけで、魅力的なモデルであることに変わりないと思います。
ただ、そういった『90年代タグホイヤーへの評価』という文脈はまだ多くの人に共有されていないため、この良さが伝わりづらいのでしょう。
|