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忘れられたエルプリ搭載のパネライ、PAM00052

PAM00052はPAM00072が出る以前に発売された40mmパネライルミノールのクロノグラフ

しかもエルプリ搭載という内容はPAM00072と変わりません。

違いは何かというと、PAM00072が通常モデルなのに対してPAM00052は限定モデルという点。

ということは、本来PAM00052のほうが高値になっているのが普通なはず。

しかも、色付けされた3つ目の文字盤は、常時100万円以上するフライバックと同じデザイン系統。

ですから、デザイン的にも限定という内容的にもPAM00072より高くなくてはならないのです。

先日紹介し、もう売れてしまったPAM00071は71万8000円

それに対してPAM00052は65万8000円

PAM00052のほうが安いじゃないですか。

とはいえ、PAM00052は前から安かったわけではありません。

特に2011年頃までは80万以上は当たり前。

それがなぜか、時計全体が高くなり始めた頃から、逆に安くなり始めたのです。

しかも他のパネライが値上がりしている中で、

  • エルプリメロ
  • 限定500本
  • という内容的には値上がりするのが正常なはずのPAM00052が、逆に値下がりしてしまっているのです。

    最安はなんと50万円前半。

    エルプリ搭載の限定パネライとしてはとても安い価格だと思って良いと思います。

    現在80万円する青サブが35万円ぐらいだった2011年頃、80万円以上だったPAM00052。

    不人気要素はどこにもないので、安値の理由は存在を忘れられているだけのような気もします。

    哲学的なことを言うと、腕時計に限らず「価値」において重要なのは外部です。

    つまり、価値とは内在するものではなく外にいる他者が「価値」と認めるから価値なのです。

    (ちなみに、この本にそのようなことが書いてあったかとウル覚えしています。)

    (最近絶版となったようで値上がりしてしまっています)

    要するに、忘れられた存在のPAM00052。

    販売する際に『PAM00052(PAM00072)』と記載し、検索に引っかかるように工夫すればもっと売れているような気がします。

    そして、その時説明文に「限定500本」と記載し、PAM00072よりも希少価値が高いことを示せば、ユーザーはPAM00072より上だと認識してくれることでしょう。

    その認識を多くの人が持てば自然とPAM00052の相場も上昇するはず。

    少なくともPAM00072が71万8000円で売れている現在、PAM00052は狙い目だと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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