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現在相場考察

2015年水準超え、デイデイト118209銀文字盤

2021年6月29日更新
ロレックスのデイデイト118209について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年2月の安値と2021年6月の安値を比較し現在相場を考察。この1年4ヶ月での変動は53万2000円の値上がりだった。

デイデイト 銀文字盤 118209についての考察(2021年6月)

先日のデイデイト18238の記事でも指摘したように、近頃デイデイトが全体的に値上がりしている様子があります。

今回紹介するのもまた、そういったことに該当するデイデイトなのですが、どれを取り上げるのかというと、2000年デビューのWGモデル、118209であります。

この118209銀文字盤、昨年2月の水準は約164万円だったのですが、現在ではなんと218万円にまで上昇しているのです。

実に53万円もの上昇という値動きになったわけですから、やはりこの118209も他のデイデイト同様「派手に上昇している」といえます。

とはいっても、実はこの118209には、他のデイデイトとは異なる点があるのです。

それはどういうことかというと、これまで、「2015年水準をなかなか超えることができなかった」ということであります。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年2月
の安値
2021年6月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
デイデイト
銀文字盤
118209
中古 1年
4ヶ月
¥1,648,000 ¥2,180,000 532,000 132.28%

実は、この118209銀文字盤、2015年8月のボトム価格は、なんと208万円という水準だったのです。

2015年の段階で200万円以上だったということに驚くわけですが、その後は150万円台といった状況が長らく続いていたため、「200万円以上だった」ということは忘れられていたことでしょう。

ちなみに、「2015年頃高かったのに、その後下落、2021年に最近2015年水準超え」という変遷をたどったモデルは、この118209の他にも存在。ランゲ&ゾーネランゲ1や、パテックフィリップコンプリケーション5055などがそれに該当するといえます。

近頃、なぜそういった現象が起こっているのかは不明ですが、なんとなくこれまでよりも「全体的に高くなる」という傾向があるように感じます。

昨今の上昇トレンドの始まりは2017年だといえますが、2015年頃までと2017年頃からの値動きの大きな違いは「動くモデル」と「動かないモデル」が分かれるといった傾向があったといえます。

しかし、今年2021年からは、これまで動かなかったモデルも動くようになりつつあるため、徐々に2015年までのように、「全体的に高くなる」といった傾向が戻ってきつつあるのかもしれません。

実際、このデイデイト118209銀文字盤は、2015年8月水準が208万円だったのに対し、2016年8月水準は約144万円に下落。その後、2017年7月には約154万円に回復するものの、2015年8月水準には程遠いといった状況でした。

そして、2020年2月になっても、この118209銀文字盤は約164万円という水準だったわけで、依然として160万円台という価格帯に位置していたわけです。

それが今回、この118209銀文字盤は、218万円にまで上昇したことにより、ようやく2015年8月の208万円を上回ったということになるのです。

118209は、2020年2月⇒2021年6月で約53万円の上昇という値動きですから、K18モデルの目立った上昇事例の1つと感じられるでしょう。

しかしながら、2015年8月水準は208万円だったということを考慮すると、「かなり上がった」と感じる現在水準でも、実は2015年から10万円程度しか上がっていないとも読み解くことができるといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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