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歴史を覆すモデルだといえるかも、スピードマスター3510.50

なお、この3510.50のボトム価格には、以前からBランクやCランクといった個体がある傾向がありますが、現在の様子を見るとそういったランクでも20万円以上となっていることに驚きます。

3510.50の中古相場は、少し前まで10万円台前半が当たり前という感覚でしたが、今となっては20万円以上3510.50のように、「廉価モデルかつ数が多い」というハンディがあるモデルでも、こういった値動きとなったのは「驚くべきこと」だと思います。

ちなみに、この3510.50の5年ほど前の様子はどのようだったかというと、約11万円という水準でした。

それが現在では、約23万円(ABランク以上)ですから、3510.50この5年の間に倍以上となったということになります。

「過去相場と比べて倍」という現象は、これまでいくつもの事例があるため、珍しいとはいえませんが、この3510.50のような「廉価モデルかつマニアックでもない」というキャラクターではかなり稀です。

以前から述べているように、この3510.50のように「初心者受けする」というキャラクターを持つモデルは、マニア目線では魅力を感じづらく、個体数が多いという特性があるため、「供給<需要」となりづらいわけです。

そうであるにも関わらず、2016年⇒2021年で倍以上となった3510.50は、歴史を覆すモデルだといえるかもしれません。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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