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100万円の付加価値、AMGオフィチーネパネライPAM00108クロノグラフ

中古自動車市場において、値段が下がりやすいのはAMG

ちなみに、

フェラーリ360モデナ
新車1610万円、中古は1200万円ぐらい

AMG E55(W211)
新車1458万円、中古200万円ほど

という感じです。

車だと値下がりしづらいフェラーリなのですが、時計となると大幅な値下がり状態。

時計における、この両者の違いは何かというと、大きいのは「見せ方」の差です。

「これパネライなんだ」と言わないと分からないフェラーリモデル。

それに対してAMGモデルはパネライであるということがすぐにわかります。

そこに「これ実はAMGモデルなんだ」と言われてはじめてわかるAMGの価値。

すると、なんだか非常に希少性が増した気がします。

フェラーリのロゴマークがデカデカとついたFER00008に対して、裏蓋のごく小さな部分にしかAMGと書かれていないPAM00108

腕時計のありがたさにおいて、このさり気なさが非常に重要です。

とはいえ、エルプリを搭載するPAM00108とFER00008では新品実売価格にも大きな差が存在します。

しかし、2001年当時の新品実売価格≒今の相場というPAM00108に対してFER00008は大幅な値下がり。

特にPAM00108の場合、同じくエルプリ搭載のPAM00072と比較しても約100万円高いわけですから、ちょっとの差がとてつもない価値を生み出している時計です。

これぞまさに、ロレックスの赤サブとかブラックアウトと似ている点。

PAM00072との違いは文字盤デザインと裏蓋にAMGと書かれているか否か。

その差で100万円の違いを生み出すPAM00108は立派。

しかし、同じエルプリ搭載のPAM00052のように2010年と比べて値下がりしています。

しかもその額30万円

現在の相場、PAM00108史上かなり安いほうでしょう。

ただし、PAM00072PAM00052と微細な差で100万円というのは今後どっちに転ぶかわかりません。

基本的にパネライは、より古くより希少なモノが高値になる傾向。

このAMGの場合、2001年製で100本限定

よって、「より古く」はギリギリクリア。本来2000年以前が望ましいですが、2001年はギリギリでクリアです。「より希少」は100本限定ですから余裕でクリアといって良いでしょう。

さらに、エルプリ搭載という高材料も。

 

  • パネライ
  • エルプリ
  • AMG

 

という組み合わせはかなりよいマリアージュな感じもします。

そういう意味では168万円という現在価格も納得なのですが、今後どうなるかの予測が難しい時計でもあります。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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