スピードマスターの3510.50は、かつて「超オーソドックス」な選択肢だったといえます。
これは、「高級腕時計初心者の選択肢として最適」だったともいえ、90年代から2010年代前半頃まで、新品腕時計の選択肢として最もポピュラーだったといえるでしょう。
例えばですが、とんねるずの「買うシリーズ」で、スギちゃんが600万円といった金額のデイトナを買ったことが有名ですが、そのついでとして、フジテレビの伊藤アナが“買わされた”ことになったのも、この3510.50であります。
それぐらい、この3510.50というモデルは「選ばられる率が高かった」といえるわけで、「レア」とは真逆の存在だといえるわけです。
そういった背景ゆえに、2020年頃まで3510.50はそこまで大きな変動をしないといった印象。2020年7月時点の相場は約15万円となっていました。
ちなみに、2016年6月水準は約11万円、2018年5月は約13万円と、「大きな変動」をしないものの、着実に動くという傾向は3510.50に存在しました。
それが2021年になると3510.50の様子は一変。それまでと比べると「動く」ようになったのです。
3510.50は2021年8月時点で約23万円に上昇。その時点で20万円台になったという動きをしたわけです。
そして、前回お伝えした2023年10月時点では約27万円と、20万円代後半といえる状態でした。
そんな3510.50ですが、現在水準は約32万円。
ついに30万円台というステージに到達したのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年10月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オメガ
スピードマスター 3510.50 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥278,000 | ¥328,000 | 50,000 | 117.99% |
なお、この3510.50は現行時に「初心者向け」というキャラクターだったためか、以前からボトム付近にBランク未満の個体があるといった傾向があります。
そのため、相場を見るためにはABランク以上個体のボトム価格を見る必要があるわけですが、そうすると現在水準は約32万円となります。
そのため、3510.50の値動きは他のモデルと比べて気づきづらいのですが、たまにどうなっているかと見てみると、「動いている!」と気づくわけです。
今回の3510.50の変動額は、1年7ヶ月前に対して5万円の上昇と、他のモデルと比べると「派手な動き」とはいえません。
しかしながら、「多くの人が購入した」、「レアとは真逆」といった3510.50の背景からすると、30万円台になったという、今の様子は“歴史残るぐらいの変動”といえるかと思います。