ロレックスには、同じ型番でも「要素」によって相場が違うということがあります。
例えば、エクスプローラー14270の初期世代に存在する「ブラックアウト文字盤」は、通常個体の3倍といった相場になっています。
また、GMTマスター2の16710最終品番や、デイトナ16520の初期世代などにもそういった事例があるため、同じ型番の相場違いは「大きい」事が多いといえます。
その一方で、エクスプローラー214270の「前期・後期」やヨットマスター2の「前期針・後期ベンツ針」といった差では、「倍」といったことはなく、前期よりも後期のほうがそこそこ高いといった感じにとどまるでしょう。
さて今回は、14060Mの後期を取り上げますが、前期と何が違うのかというと、Z番からクロノメーター化されたという点です。
サブマリーナーのノンデイトは、5513から長らく「ノンクロノメーター」となっており、2001年に登場した14060Mも例外ではありませんでした。
また、エアキングも「ノンクロノメーター」となっていたため、これらはある種エントリー仕様といった位置づけだったわけです。
それが2007年にエアキングが6桁世代になった際、クロノメーター化。14060Mだけがノンクロノメーターのままだと、逆にコストがかかるためか、14060Mもクロノメーター化されたのでしょう。
ちなみに、Z番は2006年ですから14060Mは前倒しでクロノメーター化されたといえます。
クロノメーター化されたことによって、文字盤にクロノメーター表記が追加され、前期とは異なる雰囲気になった14060Mの後期モデル。
記事で14060Mの後期を取り上げたのは2017年4月とだいぶ前となってしまったのですが、その際は約55万円でした。
同時期において、14060Mの前期(ノンクロノメーター)は約50万円といったところだったため、その頃の前期対後期の相場差は5万円程度。前期に対して後期は約1.1倍といった状態でした。
では、現在の14060M後期はどういった水準になっているかというと、ボトム価格は約131万円という状態であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年4月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
サブマリーナー 14060M Z番 |
中古 | 8年 1ヶ月 |
¥550,800 | ¥1,318,000 | 767,200 | 239.29% |
14060Mは、今年3月時点で全体のボトム価格、すなわち前期の相場が過去最高値更新となりましたが、その際、前期は約123万円となっていました。
それに対して、後期の現在ボトム価格は約131万円ですから、前期と後期の差は2017年よりも広がったといえます。
そして重要なのは、14060M後期の相場が現在150万円規模になっていると感じられる点です。
現在ボトム価格は約131万円ですが、次に安価な個体は約143万円、その次が約145万円、147万円と続き、それ以上は150万円以上といった状態。数としても150万円以上というのが多数派となっているため、後期は150万円程度になっていると筆者個人的には捉えています。
仮に、14060M後期の相場を150万円程度としたならば、後期は前期よりも約1.2倍高値となるため、比率をもってしても2017年よりも前期対後期の差が広がったといえます。