ブランパンのステンレス高級スポーツウォッチ、トリロジーシリーズ。
近年では、圧倒的なクオリティということがそこそこ伝わっていることにより「真面目に造られた高級腕時計」として通好みな存在となっているブランパン。
しかし、このトリロジーは、ロレックスのスポーツモデルにどことなく似ている印象から、新品当時はそこまで人気なモデルではありませんでした。
時計のキャラクターはサブマリーナに近いですし、3・6・9のインデックスの印象はエクスプローラ風、そしてベゼルの印象はヨットマスターロレジウムを彷彿とさせます。
しかし、このフィフティーファゾムスは1950年代において既に存在した古いモデル。
さらに登場したのは1997年ですから、99年に出たロレジウムより前なのです。
実際、サブマリーナとトリロジーフィフティーファゾムスの実物を比べてみると、その印象はかなり違うモノとなります。
高級感があるのはどちらか、というとこのフィフティーファゾムスなのですが、現在相場で高いのはサブマリーナ。
つまり、今トリロジーフィフティーファゾムスとサブマリーナ16610を買おうと思った場合、前者は40万円前後、後者は50万円以上と比べる対象ではないのです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年1月 の安値(ヤフオク) |
2017年4月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ブランパン
トリロジー フィフティファゾムス |
中古 | 8年 3ヶ月 |
¥390,000 | ¥367,200 | -22,800 | 94.15% |
2002年頃におけるフィフティーファゾムスの新品実勢価格は50万円台といったところ。それに対して16610は約38万円でした。
つまり、かつても比べる対象ではありませんでしたが、今とは違ってロレックスのほうが安かったのです。
定価においても、時計のキャラクターにおいても、本来サブマリーナより高級なトリロジーフィフティーファゾムス。
マニアックな存在ではありますが、2002年頃において新宿など数多く時計を扱う時計店ならば置いてあったほど、それほど希少というわけでもありません。
アクアノートと比べるとよほど見かけた数が多いトリロジーシリーズ。今では流通がほぼ無い割に相場は、サブマリーナに及びません。
また、1999年に追加されたラバーとステンレスのコンビモデル「コンセプト2000」は、通常のステンレスモデルより高い傾向がありますが、それでもサブマリーナ以上の相場とはなっていない模様です。
このフィフティーファゾムス、非常に良い時計かつ、現在のスポーツロレックス最安値(=エクスプローラ)程度の価格で買えるかなり魅力的な時計だと思います。
しかし、この記事の個体のように、文字盤に劣化が発生していたり、販売する際に正規オーバーホールに出されているケースが目立つように、扱いに気を使うデリケートな時計という側面もある模様。
スポーツタイプだからといって、毎日ガンガン使ってはいけない時計かつ、買う際にどの程度のモノを選ぶかという見極めが必要、という点は万人受けできない最も大きな点でしょう。
ちなみに、文字盤に不具合の無い個体は40万円台前半から後半のため、過去から現在にかけて値上がりも値下がりもしていない時計です。