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現在相場考察

レアパネライなのに値下がり傾向、ルミノールクロノPAM00072

2018年6月25日更新
オフィチーネパネライのPAM00072について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年6月の安値(楽天)と2018年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は10万600円の値下がりだった。

ルミノールクロノ PAM00072についての考察(2018年6月)

近頃値下がりとなっているモデルが目立ち気味のパネライですが、マニアックなキャラクター性を持つモデルはそこまで値下がりが目立たない傾向があるといえます。

マニアックなモデルとはなにかというと、一つは限定モデルで、もう一つはレア要素を備えているモデルなのですが、両者に共通するのは2000年代前半頃までにラインナップされていた世代という点です。

2000年代前半までのパネライには、特にムーブメントにレア要素があるといえ、デットストックムーブメントを搭載した限定モデルや、ゼニスフレデリックピゲ製のムーブメントを搭載したモデルなどが存在しました。

ゼニス製のムーブメントで有名な存在といえばエルプリメロですが、それを搭載したロレックスデイトナ16520は、「エルプリ搭載」という点が評価されているように思います。

そんな「エルプリメロ」という存在は、2002年まで製造されたパネライにも搭載されており、今となっては「パネライのエルプリメロ搭載モデル」ということに意外性を感じるかもしれません。

エルプリメロ搭載のパネライは1999年にPAM00052が限定モデルとしてデビューしたのですが、翌年2000年にはレギュラーモデル化されています。

その際デビューしたのが、ブレスレットのPAM00072と革ベルトPAM00074なのですが、PAM00072はパネライのエルプリメロ搭載モデルとして最も有名な存在だといえます。

パネライはロレックスと比較されることも多いですが、ブレスレットかつエルプリ搭載ということで、72番は16520と比較されることもありました。

他のエルプリモデルにも共通するのですが、PAM00072はケースとブレスレットがチタンとステンレスのコンビ仕様。また、裏蓋は裏スケ仕様となっており、当時のパネライとしては高級モデルという要素を備えています。

そのようなレア仕様を持つPAM00072ですが、2016年には60万円台半ばで購入可能であり、2011年の水準とかなり近い状態となっていたのです。

それが2017年にPAM00072は高くなり、6月には90万円台半ばまで上昇。

しかし、それから1年後である2018年の今、なんとPAM00072約10万円ほど安くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年6月
の安値(楽天)
2018年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ
PAM00072
中古 1年
0ヶ月
¥943,000 ¥842,400 -100,600 89.33%

先のように近頃パネライにおいて安くなったモデルが目立つ傾向がありますが、それらは「他の個体と比べて1つだけ安い」という傾向があります。例えば、他の数十個の個体が40万円台なのに対し、1つだけ30万円台前半で売られているということがあります。ですから相場として捉えるには、適当なのか否かという難しい傾向があるのです。

けれどもPAM00072において、85万円前後の個体は他の個体の価格帯とかけ離れているというように、1つだけ安いという状況ではないのです。また、現在最も高い価格に位置する個体の価格を参考値としても、昨年のボトム価格より「安い」状況です。

このPAM00072というモデルは、エルプリメロ搭載であったり、チタンステンレスコンビという仕様であったりと、レアかつ魅力的な要素を多々備える存在です。

スポーツロレックスの新品実勢価格が30万円台が中心的だった時代において、この72番はそれらよりとても高く「かなり高級」という印象もありました。

また、先のように16520と比較されるキャラクター性をもっているということもあり、16520が高くなった2017年において値上がり傾向となったのも共通しています。

それが、16520が2017年よりやや上昇している2018年において、PAM00072は値下がり傾向となっているのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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