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現在相場考察

オーソドックスな存在でも優秀、オメガスピードマスターオートマチック3510.50

2018年5月14日更新
オメガのスピードマスター3510.50について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年6月の安値(楽天)と2018年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年11ヶ月での変動は1万9000円の値上がりだった。

スピードマスター 3510.50についての考察(2018年5月)

スピードマスターといえば「ムーンウォッチ」が有名ですが、様々な種類があることも腕時計ファンにはよく知られています。

ムーンウォッチには手巻きムーブメントが搭載されていますが、それより廉価なシリーズには自動巻ムーブメントが搭載されている傾向があります。ちなみに、ブロードアローも自動巻ですが、高級ムーブメントが搭載されているため、こちらは廉価な自動巻モデルではありません。

ですから、自動巻ムーブメント搭載のスピードマスターに限っても様々な種類が存在するのです。

例えば、バルジュー7750ベースのムーブメントを搭載したモデルには、シンプルなモデルが存在しますが、それは「デイト」と呼ばれています。

その一方で、「オートマチック」と呼ばれる傾向なのが3510.50という存在。

このモデルは、「デイト」と同じく自動巻ですが、搭載されているムーブメントがETAの通称2階建てクロノと呼ばれるムーブメント。

つまり、「デイト」よりも廉価な立ち位置に存在するのが「オートマチック」なのです。

この「オートマチック」3510.50は、見た目がムーンウォッチに似ているのに安価に購入することができるため、高級腕時計の入門用といった用途で選択される傾向が多いように思います。

実際、中古の数もかなり多く、それらの中には日常的にハードに使われていたと思われる程度の悪い個体も多々存在。

また、このモデルは80年代後半から存在している長寿モデルであるため、廉価モデルとして数が多いだけでなく、ロングセラーという観点からも数が多い理由があるのです。

この3510.50のようなキャラクター性は、新品時には人気がある時計でありながら、中古市場では人気が高くない可能性があります。

入門用的なモデルは“万人受け”という要素が重要であるため、この3510.50に限らず、濃い要素やその時計にしかない個性が乏しい場合があるのです。

そのため、新品時に安い価格で手に入る一方、中古でも安くなってしまうため、売却時に値がつかず結果的に高い買い物になる可能性もあるのです。

しかし、この3510.50は例外です。

入門用的なキャラクター性を備えているのにもかかわらず、この時計はきちんと高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年6月
の安値(楽天)
2018年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オメガ
スピードマスター
3510.50
中古 1年
11ヶ月
¥115,000 ¥134,000 19,000 116.52%

高くなっているといっても、約2年という間に1万9000円程度の上昇ですから、他の値上がり傾向なモデルと比較すると、大きく値上がりしているわけではありません。

とはいえ、これほど流通量が多いモデルかつ、もともとの新品価格が安いモデルでありながら、2016年6月と2018年5月の比較でしっかり高くなっているのはかなり立派だと思います。

また、2010年7月には約7万1000円という価格だったため、かつて10万円以下で購入可能だった時期も存在しています。

ですから、この3510.50は安い時期には10万円以下だったのが、その後10万円以上となり、そこから更に値上がりしているということになります。大きな値上がりでないものの、きちんと値上がり傾向が続いているのは、このキャラクターとしては凄いと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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