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現在相場考察

約2年で5万円の値動き、ラジオミールブラックシールPAM00183

2018年11月5日更新
オフィチーネパネライのラジオミールPAM00183について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年9月の安値(楽天)と2018年11月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この2年2ヶ月での変動は5万3960円の値上がりだった。

ラジオミール ブラックシール PAM00183についての考察(2018年11月)

2004年に初のカジュアルラジオミールとしてデビューしたPAM00183

ラジオミールとしては珍しく、「ブラックシール」という愛称が設定されているのですが、これは当時唯一のカジュアルラジオミールだったからだと思います。

今となっては、ルミノールと価格帯が特に変わらないシリーズとなっているラジオミールですが、このブラックシールが出るまでは最高級シリーズという役割を担っていました。

当時のラジオミールは、金無垢モデルが中心で、少数存在したステンレスモデルも、ゼニスエリートといった高級ムーブメントや、アラームなどのコンプリケーション機構が備わっているなど、高級感を感じさせる存在でした。

それが、このブラックシールの場合は、ETA手巻きムーブメントが搭載されており、ルミノールと同様の内容となっているのです。

ですから、高級なラジオミールと区別するために「ブラックシール」という名称としたのでしょう。

実際、高級だった時代のラジオミールを知る筆者は、当時RGのラジオミールが欲しいと思いながら、なかなか手を出せないと感じていました。それがブラックシールという安価なモノが出たため、手が届くと感じ「欲しい」と思った記憶があります。

高級なシリーズのカジュアル版という存在は、ロレックスヨットマスターロレジウムや、フランクミュラーカサブランカなどが該当しますが、高級なのにカジュアルという存在は魅力的だと感じます。

しかし、ブラックシールがそのような存在感だったのは2004年だけだといえます。

なぜなら、デビュー翌年の2005年にはラジオミールベースがデビューし、ラジオミールの役割は高級からカジュアルに変化していたからです。

さて、そのようなブラックシールという存在ですが、2005年以降において人気が下がるという印象はなく、むしろ多くの人にほしいと思われるようなメジャーな存在となっていたように感じます。

ただそのメジャーという印象は、「高級モデル」という特別感を感じさせないということにも作用するといえます。

そのためか、2016年9月の段階では30万円台後半という水準に位置し、パネライの通常モデルとしてはルミノールベースなどとともに、最も安いといえる価格帯に位置していました。

それでも、2012年と比較すると2016年の水準は値上がり傾向であり、ブラックシールという存在は悪くない値動きをしていたといえます。

では、2016年9月から2年少し経った現在、このブラックシールはどのような様子となっているかというと、その水準は40万円台となっており、きちんと値上がりしている様子です。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年9月
の安値(楽天)
2018年11月
の安値(楽天)
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ラジオミール
ブラックシール
PAM00183
中古 2年
2ヶ月
¥365,040 ¥419,000 53,960 114.78%

2012年5月から2016年9月までの4年4ヶ月で、このPAM00183約5万円の値上がりとなっていました。

そして、2016年9月から2018年11月までの2年3ヶ月で値動きした額も約5万円という水準。

値動きした額がどちらも5万円というのはたまたまかもしれませんが、以前は4年かかっていた値動きが2年になったというのは優秀といえるかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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