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現在相場考察

約3年前の5711青文字盤よりも高い、ノーチラス黒文字盤3800/1A

2020年8月10日更新
パテックフィリップのノーチラス3800/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年9月の安値と2020年8月の安値を比較し現在相場を考察。この11ヶ月での変動は25万3080円の値上がりだった。

ノーチラス 3800/1A-001についての考察(2020年8月)

腕時計ブームだった2000年前後といった時代、ノーチラスの中で最もオーソドックスだったのは、意外にも黒文字盤です。

黒文字盤のノーチラスといえば、長いノーチラスの歴史でも、90年代後半から2000年代前半といった時期ぐらいにしか存在しないため、今となっては「レア」という要素を感じる存在感となっています。

そのため、2000年前後といった時代にオーソドックスだったということに対して疑問を持つ方もいるかも知れません。

しかし、黒文字盤のリファレンス、すなわち3800/1A-001「-001」を見れば分かるように、これが最もオーソドックスだったといえるのです。

なお、3800/1Aの黒文字盤は96年頃デビューだったのに対し、青文字盤は3800/1Aがデビューした1982年の段階からあります。そうであるにも関わらず、なぜ青文字盤ではなく、黒文字盤が「-001」だったのかというと、文字盤色を示す枝番リファレンスが90年代後半頃から始まったからでしょう。

ノーチラスのリファレンスを見ると、「3800/1⇒3800/1A3800/1A-001というように、リファレンスの変遷が分かります。

文字盤色を示す枝番が採用された90年代後半において、ノーチラスのメインは黒文字盤だったため、「-001」が採用されたのだと推測するわけです。

ちなみに、その時代、この「ローマンインデックス+黒文字盤」という内容はこの3800/1A-001だけでなく、3710/1Aにも採用。今や3710は700万円台といった価格帯となっています。

3710/1Aには、3700以来久々に復活したジャンボ」だったり「独自機構のパワーリザーブインジケーター」など様々なレア要素がありますが、その一番の特徴は、やはり「黒文字盤+ローマンインデックス」だといえます。

そして、それと同じ要素を持つのが、この3800/1A-001なわけですが、3710/1Aに影響されるかのように、ここ1年2年の印象として上昇している印象があるのです。

では、現在3800/1A-001はどういった水準かというと、396万円というボトム価格となっているのですが、これは昨年8月と比べて約25万円の上昇といった様子。

アベノミクス以降、「高くなった」と感じた2015年頃、この3800/1A200万円程度といった印象がありましたが、今やその「倍」ともいえる水準に達しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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PATEK PHILIPPE パテックフィリップ ノーチラス 3800/1A-001 中古 347865

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年9月
の安値
2020年8月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
3800/1A-001
中古 0年
11ヶ月
¥3,706,920 ¥3,960,000 253,080 106.83%

ノーチラスといえば、5711/1A青文字盤が圧倒的な人気といった感覚があり、2017年以降派手に値上がりするのは5711といった印象がありました。

けれども、5711/1A-010は最近目立った値動きがない様子で、6月には「白文字盤よりも安い」となるほどの状況。また、その出来事をお伝えしてから2ヶ月が経過した今でも、依然、白文字盤よりも安く購入可能という状態が続いています。

5711/1A-010などについては、近頃「分かりやすく上昇」といった様子が見られないわけですが、この3800/1Aについては気づいたら高くなっているというように、上昇傾向が続いているように感じます。

そして今や、その水準は396万円となっているわけですが、これは2017年9月の5711/1A-010水準を超えているのです。

当時の記事では「かつて無い水準のプレミア価格」と表現したように、5711/1A-010の2017年9月水準に対して「驚く」といった感覚がありましたが、それから3年後の今となっては、3800/1A-001それを超えるぐらいの価格帯にいるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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