今ではめっきりクォーツの高級腕時計は減ったといえ、特に男性用モデルはそういった傾向が強いでしょう。
もちろん、クォーツを得意とする日本勢はその限りではありませんが、ヨーロッパの高級腕時計ではメンズサイズのクォーツはほぼ見かけないといっても過言でないと思います。
ヨーロッパ勢のクォーツ高級腕時計が減ったのは2000年代中盤頃からだといえますが、逆にいうと、2000年代前半ぐらいまでの時期にはクォーツが普通にあったということになります。
実際、ロレックスブームといわれていた90年代後半という時代、高級腕時計の選択肢としてクォーツは珍しくなかったわけです。
ただ、そのような時代でも、クォーツの選択肢はドレス系に多いという傾向だったわけで、スポーツ系だとその選択肢はそこまで多くありませんでした。
また、ロレックスではオイスタークォーツが2001年頃までラインナップされていたものの、その当時「それが現役モデル」と気づいている人が少ないほど影が薄かったといえます。
さらに、97年に登場したアクアノートにも、メンズサイズの5064Aがありましたが、流通量が少なく、今でも中古を見かけるのは年に1度といった頻度となっています。
その他にも、カルティエなど宝飾系は比較的クォーツの採用率が高いといえますが、パシャCにはクォーツモデルが無かったりと、「クォーツと自動巻との扱いが“同じ”」というラインナップは少なかったわけです。
とはいえ、そういった時代でも「クォーツが自動巻と同じようにラインナップされていた」というモデルが無いわけではありません。
そして、スポーツ系でも「クォーツと自動巻きが同列」というラインナップはあったわけですが、そういった傾向だったのは、主に以下のシリーズでした。
これらは、クォーツと自動巻が同じようにラインナップされていたスポーツモデルですが、意外と共通点が無いのが興味深い点だといえます。
ブルガリは宝飾系、オメガは比較的安価な高級腕時計、ヴァシュロンは雲上ブランドの最高級といったイメージですが、なぜかこれらにはクォーツモデルがそれなりのバリエーションで展開されていたわけです。
今回取り上げるのは、オーバーシーズですが、96年に新世代の高級スポーツモデルとして登場した経緯があるモデルです。
そんな、オーバーシーズは、ミディアム、ラージを問わずしっかりとクォーツモデルを用意。中古市場を見ると今でもしっかり「ラージのクォーツ」が売られていることが分かります。
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ヴァシュロンコンスタンタンオーバーシーズ72040/423Aの価格比較
時計名 | 状態 | 2018年8月の安値 | 期間 | 2021年1月の安値 | 変動した額 | 残存価額 |
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ヴァシュロンコンスタンタン オーバーシーズ 72040/423A |
中古 | ¥675,000 | 2年 5ヶ月 |
¥613,800 | -61,200 | 90.93% |