腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

グレー文字盤という特別な存在、ヨットマスター16623

2017年5月14日更新
ロレックスのヨットマスター16623について斉藤由貴生が執筆。本記事では2009年6月の安値(ヤフオク)と2017年5月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この7年11ヶ月での変動は34万4241円の値上がりだった。

ヨットマスター グレー文字盤 16623についての考察(2017年5月)

現在のラインナップにおいて、ヨットマスターという存在は曖昧なポジションとなってしまっています。

超高級というポジションはヨットマスター2に奪われてしまっていますし、ヨットマスター自体に金無垢モデルがなくなってしまっているのが曖昧さを助長。

しかし、スポーツロレックスのモデルチェンジが本格的に始まった2007年までヨットマスターといえば、最も豪華なスポーツロレックスという存在でした。

そもそも、99年にロレジウムが登場するまで、メンズサイズのヨットマスターは金無垢のみというラインナップ。

そして、ステンレスブレスレットを装着したロレジウムが出た後でも、デイトナとともに最高級であることを感じさせる分かりやすい差が存在したのです。

デイトナヨットマスターにはステンレスモデルでも中央が鏡面仕上げのブレレスレットが装備。

今では中央が鏡面仕上げのブレスレットはGMTマスターミルガウスでも採用されているため、特に珍しいものでもありませんが、2007年まではデイトナ11652016520)とヨットマスター16622にしか採用されていなかったのです。

そのため、ヨットマスターデイトナは明らかに他のモデルとは異なる豪華さを演出していたのです。

また、シェル文字盤が用意されているのもデイトナヨットマスターのみ。

そして、その差は通常文字盤における色の選択肢にも示されており、グレー文字盤が選択可能というのもデイトナヨットマスターの特権なのです。

スポーツロレックスにおけるグレー文字盤はコンビ以上に設定される色ですが、サブマリーナとGMTマスターの場合、ダイヤがついた豪華使用の16613SG」や「16713RG」などにしか設定がない色なのです。

つまり、GMTマスターとサブマリーナの場合、通常文字盤のコンビだとグレー文字盤が選択することができなく、コンビより1つグレードが上のダイヤ付きモデルを選んで初めて選択できる色であるわけです。

一方デイトナヨットマスターの場合、通常の文字盤でも選択肢の1つとしてサラッとラインナップされています。

ですから、グレー文字盤という存在こそ、ヨットマスターが豪華モデルであるという象徴的存在であるわけです。

ロレックス ヨットマスター 16623(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2009年6月
の安値(ヤフオク)
2017年5月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
ヨットマスター
グレー文字盤
16623
中古 7年
11ヶ月
¥549,999 ¥894,240 344,241 162.59%

2009年における16623グレー文字盤の相場は55万円前後といったところですが、その頃ロレジウム1662245万円前後といった水準です。

そこから今にかけて1662216623も相場が上昇しましたが、より上昇したのは16623のほう。

2009年において差が10万円程度だったのが、今では38万円程度“差”がある状況となっています。

ただし、16623においてグレー文字盤が特に人気というわけではなく、16623の相場自体が全体的に高くなっています

デイトナについても言えることですが、グレー文字盤はレアかつ魅力的な色合いなのにもかかわらず、特に高値となる傾向とはなっていないのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。