現在のラインナップにおいて、ヨットマスターという存在は曖昧なポジションとなってしまっています。
超高級というポジションはヨットマスター2に奪われてしまっていますし、ヨットマスター自体に金無垢モデルがなくなってしまっているのが曖昧さを助長。
しかし、スポーツロレックスのモデルチェンジが本格的に始まった2007年までヨットマスターといえば、最も豪華なスポーツロレックスという存在でした。
そもそも、99年にロレジウムが登場するまで、メンズサイズのヨットマスターは金無垢のみというラインナップ。
そして、ステンレスブレスレットを装着したロレジウムが出た後でも、デイトナとともに最高級であることを感じさせる分かりやすい差が存在したのです。
デイトナとヨットマスターにはステンレスモデルでも中央が鏡面仕上げのブレレスレットが装備。
今では中央が鏡面仕上げのブレスレットはGMTマスターやミルガウスでも採用されているため、特に珍しいものでもありませんが、2007年まではデイトナ116520(16520)とヨットマスター16622にしか採用されていなかったのです。
そのため、ヨットマスターとデイトナは明らかに他のモデルとは異なる豪華さを演出していたのです。
また、シェル文字盤が用意されているのもデイトナとヨットマスターのみ。
そして、その差は通常文字盤における色の選択肢にも示されており、グレー文字盤が選択可能というのもデイトナとヨットマスターの特権なのです。
スポーツロレックスにおけるグレー文字盤はコンビ以上に設定される色ですが、サブマリーナとGMTマスターの場合、ダイヤがついた豪華使用の「16613SG」や「16713RG」などにしか設定がない色なのです。
つまり、GMTマスターとサブマリーナの場合、通常文字盤のコンビだとグレー文字盤が選択することができなく、コンビより1つグレードが上のダイヤ付きモデルを選んで初めて選択できる色であるわけです。
一方デイトナとヨットマスターの場合、通常の文字盤でも選択肢の1つとしてサラッとラインナップされています。
ですから、グレー文字盤という存在こそ、ヨットマスターが豪華モデルであるという象徴的存在であるわけです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年6月 の安値(ヤフオク) |
2017年5月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ヨットマスター グレー文字盤 16623 |
中古 | 7年 11ヶ月 |
¥549,999 | ¥894,240 | 344,241 | 162.59% |
2009年における16623グレー文字盤の相場は55万円前後といったところですが、その頃ロレジウム16622は45万円前後といった水準です。
そこから今にかけて16622も16623も相場が上昇しましたが、より上昇したのは16623のほう。
2009年において差が10万円程度だったのが、今では38万円程度“差”がある状況となっています。
ただし、16623においてグレー文字盤が特に人気というわけではなく、16623の相場自体が全体的に高くなっています。
デイトナについても言えることですが、グレー文字盤はレアかつ魅力的な色合いなのにもかかわらず、特に高値となる傾向とはなっていないのです。