ここ最近、一ヶ月単位でデイトナ16520がどんどんと高くなっていますが、ノーチラスもそれに負けずに値上がりしている印象です。
ただしノーチラスの場合、高くなりつつあるのは最新モデルの5711/1Aという印象があり、400万円近くなっている5711/1Aに対して前モデルの3800/1Aは200万円程度という感じでした。
3800は1982年にデビューしてから2005年頃まで造られた長寿モデル。
伝統的な2ピース構造のノーチラスですが、その構造ゆえに裏スケ仕様ではなく、大きさも33mmとミディアムサイズ相当です。
また、2000年代前半まで新品実勢価格が100万円以下であり、その価格でも誰も見向きもしないという存在でした。
ですから、200万円という水準でもこの3800というモデルにとっては史上最高値レベルであり、急激に高くなるという印象を抱くことはなかったのです。
しかし、それが最近は3800でも急激に値上がり中。
特に高いのは“ザ・ノーチラス”というイメージの青文字盤であり、その相場は現在300万円近い水準まで上昇。
一方、90年代後半から追加されたローマンインデックスのマットな黒文字盤は、かつて“新しい”というイメージがあり青文字盤より人気だったにもかかわらず最近はノーチラスの中で最も人気がない傾向。
とはいえ、その黒文字盤でも半年前と比べて30万円以上の値上がりをしているのです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年12月 の安値(楽天) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
パテックフィリップ
ノーチラス 3800/1A-001 |
中古 | 0年 6ヶ月 |
¥2,138,400 | ¥2,457,000 | 318,600 | 114.90% |
ステンレスのノーチラスには、
- 青文字盤(バーインデックス・エンボス加工)
- 白文字盤(バーインデックス・エンボス加工)
- 黒文字盤(ローマンインデックス・マット)
と3つの文字盤がありますが、黒文字盤だけ
- エンボス加工でない
- リーフ針仕様
- ローマンインデックス
と特殊な点が存在。
そして作られたのは1997年頃から2005年頃までの約8年間であり、ノーチラスとしては短い部類に入ります。
まして、この黒文字盤は3800/1Aにしか存在しない仕様であり、本来希少なモデルなのです。
ただ、ノーチラスといえば青文字盤というイメージがあり、実際ノーチラスの形にエンボス加工の青文字盤はよく合っています。
青文字盤の雰囲気は、ロレックスでいうところのオニキス文字盤と同じような独特の雰囲気があり、その珍味的な良さが人気の理由だと感じます。
一方この黒文字盤は、どことなくスポーツロレックス的であり、珍味という感じではありません。
そのため、現在青文字盤のほうが人気というのも理解できます。
とはいえ、コレクターの目線に立ってみると、5711/1A(もしくは/1P)や5800/1Aで青文字盤を持つことができるため、3800/1Aにおいてはこのモデルでしか存在しない黒文字盤を選択すると思うのです。
よって、ノーチラスとしては安い水準で買うことができるこの黒文字盤、青文字盤の影に隠れて目立たない印象ですが、注目するに値すると感じます。