パネライのリファレンスは、少しの仕様違いでリファレンスが異なるため便利です。
例えばこの40mmルミノールマリーナの場合、ストラップのタイプと文字盤の色によってリファレンスは全て異なります。
同じ年に登場したモデルでも
と4つもリファレンスが存在します。
そのため、リファレンスを見るだけで差が分かるため、ブルガリやロレックスと比べて相場が分かりやすいというメリットがあります。
他のブランドであれば革ベルトかSSブレスレットかの差でリファレンスが違わない場合が多いですが、革ベルトよりSSブレスの仕様のほうが5万円から10万円ぐらい高いというのはどのブランドでも同じこと。
実際PAM00048とPAM00050も現在5万円程度の相場差があります。
しかし、このリファレンスが違うというのが、逆にモデルをわかりづらくさせる場合もあります。
パネライのように、似た見た目でリファレンスがたくさんあると、ひと目でモデルの共通性が分かりづらく、なんだかラインナップが無数にあるようにも思えます。
特に今、40mmのパネライという存在はハッキリしない印象だと思います。
かつてはオートマティック搭載モデルとブレスレット仕様は40mmにしかありませんでした。
そして、
手巻き44mm<自動巻40mm<ラジオミール
という順だったため、40mmのルミノールマリーナは革ベルト仕様でも「少し高級」というイメージ。
購入する際に“パネライらしい44mmにするかフォーマルな40mmにするか”と迷う楽しさがあったのです。
実際、44mm手巻きのルミノールマリーナのバックルは通常の留め具なのに対して、この40mmにはDバックルが採用されています。
しかしその後は、44mmにもブレスレット仕様やDバックルが装着されたりするなどして、今となってはこの40mmであるPAM00048のキャラクターは謎という印象でしょう。
しかも面白いのは、このPAM00048、なんと2017年現在でも現行という超長寿モデルなのです。
この記事の個体はC番(2000年製造)ですが、同じくC番のパネライが古き良きパネライとして注目されるモデルもあるなか、このPAM00048はC番でも現行モデルとの大きな差は文字盤における「PANERAI」表記上にある「Automatic」の有無に限られるでしょう。
このような事情のためかこのモデル、あまり注目されないため、2012年の相場と比較して値上がり額は10万円以下にとどまっています。
現在相場の約38万円という額はパネライとして最も安値に位置し、同じく2012年に25万円前後だったルミノールベースと同水準なのです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年11月 の安値(ヤフオク) |
2017年1月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ 40mm PAM00048 |
中古 | 4年 2ヶ月 |
¥312,900 | ¥388,800 | 75,900 | 124.26% |
今のパネライラインナップを見ると、この40mmのパネライの存在は「小さなパネライ」という印象以外に感想を持つことは難しく、ブレスレットのPAM00050との関連を見出すことも困難かもしれません。
しかし、実はこのPAM00048というモデル、PAM00050の革ベルトバージョンであり、かつては44mmより高級という位置づけだったのです。
40mmの白文字盤を着けている女性をインスタグラムをでもよく見かけるように、今となっては40mmのパネライは女性向けという印象もあるかもしれません。
しかし、実は高級志向なモデルとして存在していたモノなのです。
そして実際、40mmという程よいサイズと革ベルトの装着感により、つけ心地は良いでしょうしスーツなどフォーマルな格好にも合うでしょう。
実は44mmよりも重宝する機会が多いモデルなのではないか、と思います。