これは2000年前後といった時期に「最高級スピードマスター」として存在したモデルであります。
特徴的なのは、WGケースにアリゲーターストラップといった組み合わせ。まさに、高級ドレスウォッチ的な内容のスピードマスターであるわけです。
それでいて、「スピードマスタープロフェッショナル」というように、手巻きムーブメントを採用。まさに、ムーンウォッチといえる内容となっています。
また、ムーンフェイズを採用しているのですが、“ベゼルは黒”、“針はペンシル”というように、他のこの世代のムーンフェイズとは異なる見た目を採用しています。
ちなみに、同世代のムーンフェイズとして、数年前から評価が高い3575.30には、“WGベゼル”、“ブロードアロー針”が採用されています。
この3689.30は、上品なドレッシーな要素を採用しながらも、ムーンウォッチ的な見た目となっているバランスが良く、筆者個人的に最も好きなスピードマスターであります。
そういった良さがあるためか、これまでの相場は「ずっと上昇傾向」といったところ。前回お伝えした2023年3月時点では約278万円に達していました。
しかし今、そんな3689.30は値下がり状態。
現在水準は約215万円となっているのですが、これは2023年3月水準に対して62万円もの下落であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年3月 の安値 |
2025年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オメガ
スピードマスター 3689.30 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥2,780,700 | ¥2,153,000 | -627,700 | 77.43% |
オメガといえば、全体的に上昇傾向が続いており、2022年2月3月といった時期と比べてても高値というのが珍しくありません。
ただ、この3689.30の場合、数が少ないため2022年には中古市場に出た形跡がありません。
2019年に登場した後、次に出たのが2023年。約4年にわたって中古市場に出ていなかったため、一気に上昇したというわけです。
そして今、上がりすぎたのが落ち着いたかのように3689.30は下落傾向となっているわけですが、この動きによって3689.30は「ずっと上昇傾向」という記録はストップしたといえます。
3689.30が好きな筆者としては、今は買うのに良い機会と思うところですが、他でもこういった「ずっと上昇傾向だったのが下落に転じる」というオメガを見かけることがあります。
2022年春以降、ロレックスといった超人気ブランドが「過去最高値更新」という値動きをしていなかった一方で、「ずっと上昇傾向」という傾向があったオメガ。
今回の3689.30の値下がりは、そういったことに対する変化の兆しなのかどうかが気になるところだと思います。